外にゴミ捨て行くところとか、トイレにこもって泣いて電話するシーンとかでいったん止まってるような気もしたけど、全編ノーカットでぶっ通しで撮影したのかな?編集点がいくつかあるように感じたけど。
オーナーシェフが出勤してくるところから始まるんだけど、もうね、問題抱えててこりゃダメそうだって感じなんすよ。すでにダメそうみたいな雰囲気ただよってます。
家庭に問題抱えててそのことで頭がいっぱいで、数ヶ月前から仕事が上の空でヘマばっかりやってるらしいです。仕入れやってなかったり、仕込み忘れてたり、仕事中に電話したり。
開店前に衛生局の検査員がきてて、いろいろと問題を指摘されてランクを下げられてしまう。報告書に空欄が多すぎだとかね。数ヶ月前からそうなってて、どうもそのころからオーナーシェフの家庭が崩壊し始めてるみたいです。
家のことで頭がいっぱいで仕事が手につかないって感じ。
カメラがレストランの中を動き回って、その前でシェフやウェイターや支配人が演技して、またカメラが誰かについていって、厨房での出来事を映したりという形式。
オーナーシェフは上の空、支配人は共同出資者の娘かなんかで経験不足で力不足、入ったばかりの新人も多いし、遅刻してきてサボる仕事しないお調子者なんかもいて、レストランの状態は悪いです。
そんな状況で開店してお客のオーダーをさばいていくのが始まって、その中でちょっとしたドラマがいろいろとあるってわけ。
ナッツアレルギーの客がきたから、あ、これは後半で騒動なるなってすぐ思った。伏線というか、火種がいろいろとあるのを前半で見せる。
これ問題なりそうっていうね。お客が人種差別がきつい人で黒人のウェイターをあからさまに侮蔑するとか。
デザート担当のやつがリストカットしてるとかもあったけど、それはとくに後半どうにもならなかったですね。
遅刻サボりの常習者の洗い場担当が外にでてドラッグ買うとか。支配人が経験不足でぜんぜんホールと厨房をとりしきれてないとか。
シェフのかつての仲間で、今はテレビで人気者になってるやつがグルメ評論家をつれてやってきたりとかさ。
問題の種がまかれて、それがどう爆発するか。沸騰点をいつこえてしまうのかみたいな。
破滅へ向かってGO!っていうのを見せられる映画なので、結末があまりにもそのままというか、ひねりもなくてびっくりした。
自分のミスでアレルギー騒動をおこしてしまったシェフは、もうなにもかも嫌になって酒とドラッグをあおる。酒はずっと飲んでるんすよ、仕事中も。なんかボトルでちょいちょい飲んでるなと思って見てたけど、その中身は酒。
家庭はうまくいかない、家族を失うことになる、仕事はおろそか、昔の仲間のやつは金に困ってるからおれもこの店の経営にまぜろと脅迫めいたことを言ってくる。
出資してるみたいですね。頼りになるスーシェフの信頼も失って仲間からも見放されどうしようもないシェフは酒とドラッグをしこたまあおって、ぶっ倒れる。
多分死んだんだよね?映画はそこで終わりです。真っ暗な画面になって、きゃー、シェフが倒れたって騒ぎになってる音声だけが流れる。
そこに開店前にスマホで撮ったレストランの従業員の集合写真が映し出される。このときはまだ最悪の事態にはなってなかったのに、結末は最悪にっていうエンディング。
ひたすら悲しいだけだった。
レストランを舞台にした意外な展開の映画といえば、「ディナーラッシュ」を思い浮かべたなあ。あれもおもしろかったですね。
人が集まる限定された空間での悲喜劇をワンカメラ長回しでっていうアイディアの映画はほかにもなんかありそうですね。
ぱっと思いつかないけど。