古い建物の古い部屋。そこで眠るとおかしな夢を見るようになる。まあ、トーマシン・マッケンジーはこれ以前から母親の幻影をたびたび見たりするちょっとおかしな子なんすけどね。
夢の中では、そこは1960年代のソーホー。歌手としての成功を夢見るアニャ・テイラー=ジョイ演じる女の子にシンクロする。完全に乗り移るという感じではなく、そばで見守り、ときおり感覚が同調するみたいな感じ。
二人がシンクロするのを鏡を使って見せるんだけど、ここがこの映画の一番のシーンだったですね。ミュージカルシーンとしておもしろいし、アニャ・テイラー=ジョイのドヤってる感じがかっこよくてよかったです。
トーマシン・マッケンジーは60年代のファッションや音楽が大好きなので、アニャ・テイラー=ジョイに夢中になる。今日はどんな夢を見せてくれるんだろうってワクワク。髪型やファッションを彼女に近づけてイメチェンとかします。
アニャ・テイラー=ジョイがいけてる女って感じで魅力的なんすよ。歌もうまいし、度胸もあるし、スターとしての素質ありそうって感じで希望に満ち溢れている。
夢見る少女の楽しいサクセスストーリーが見れるかと思いきや、夢破れて堕ちていくダークな展開を見せられます。ひどい男たちにだまされて、夢破れて娼婦としてこきつかわれておちていくのを見せられる。
スターを夢見た若者が食い物にされて墜落していくのを見せられて、トーマシン・マッケンジーは情緒不安定。眠るときだけでなく、現実でも幻覚が襲ってくるようになる。
それでついには、部屋でアニャ・テイラー=ジョイが男に刺されて殺されるシーンが夢で展開してしまう。
まあそれで後半は、彼女は実在したのではないか、犯人はあいつで今も生きててわたしを狙ってるんじゃないかみたいな展開になります。
古い新聞記事を閲覧して、それらしき事件がないか探すとかね。なんかホラーとかサスペンスでよく見るシーンだなみたいな。
最初は、幻想的なサイコファンタジーっぽかったけど、終わってみたら、ホラー映画でよくある定番パターンでした。
犯人だと思った人が犯人じゃない。殺された犠牲者だと思ったほうが、実は逆で殺人者だった。犯人はめちゃくちゃ近くにいた。
1960年代のアニャ・テイラー=ジョイのパートの描き方がいきいきとしてて楽しかったという部分以外は、よくあるティーン向けのホラーっぽい作りですね。
部屋の大家がアニャ・テイラー=ジョイだった。まあ老婆になってるから、見た目はぜんぜん違いますが。夢見る少女の成れの果てってわけ。
歌手を夢見てソーホーに出てきたけど、男にだまされて食い物にされて、客をとる娼婦になってしまったんだけど、その男たちを殺して部屋の床とか壁に死体を隠してた。
それを隠蔽するために、家を買って大家としてやってた。そこにトーマシン・マッケンジーがやってきて、トーマシン・マッケンジーは母親のことでセンシティブになってるから、なぜか部屋に残る怨念みたいなのとシンクロしちゃって夢を見たってことか。
終わってみれば、冒頭から初めて60年代にトリップして鏡のシンクロダンスするところが最高潮の盛り上がりで、あとは下がっていく感じだったかな。
だんだん平凡なホラーになっていって、見てるこっちのテンション下がっていったみたいな感じ。