だってさ、トラや象がそこらへん歩いてたら怖いでしょう。それよりはるかにでかい動物なんだから、恐竜がほんとにいて近くにいたらおそろしくてたまんないと思う。うわー、恐竜だあって目をキラキラさせて近づくとかできそうもない。
でも子供は好きなんだよなあ、恐竜。今回のお話はのび太が恐竜の卵を見つけてそこからうまれた双子の恐竜とのお話です。卵の化石をひろって、それをタイム風呂敷で時間を戻すと恐竜のたまごだった。
そこから生まれたのが宇宙辞典にも載ってない新種の恐竜。羽をもつ空を飛べるタイプ。まあ、それでのび太が世話して大きくなってきたら、恐竜の時代に戻してあげようということでタイムマシンで白亜紀だったかな、に行くんだけど、そこで騒動が。
新種の恐竜っていうのは、恐竜が鳥へと進化していく分岐のところで生まれた種族だったっていう設定みたいです。恐竜が進化して鳥になったという説があるんでしたっけ。それが今は定説なのかな?
恐竜って自分が子供のころの説と今じゃかなり違うみたいです。別々の種だと思われてたのが実は一緒だったとか、名前が変更されたりとか、皮膚に毛が生えてたんじゃないかとか、どんどんアップデートされてる。
表皮の色だってカラフルだったかもって、鳥の祖先ならカラフルなほうが自然ともいえますね。今回の恐竜もピンクとグリーンでカラフルだけど、ありえないこともないのかな。恐竜はいいとして、お話はあんまりよいとは思えなかった。
努力でなんでも乗り越えられるみたいな話になってる。どうなんかなあって。鉄棒の逆上がりできないのは、おまえの努力が足りないからだ。空を飛べるのに、飛べないのはおまえの努力が足りないからだ。
おまえのやる気がないだけだ、努力が足りないって責め立てられてるように感じちゃった。
努力しないおまえが悪いみたいな感じなんすよ。なんかやたらとがんばるのび太だったなあ。こんなのび太見たくないみたいな。出木杉君みたいで、なんかこんなののび太じゃないって感じた。
おまえは怠け者でずるくて弱虫でなんもできないけど悪い奴じゃないっていうところがいいところなのに。
こんなまとも人間みたいな言動ののび太なんてのび太じゃないよって思った。恐竜の世話して大きくなるまで育てたっていうけど、生き物を育てる大変さはあまり描けてなかった。ただ遊んでるだけ。ゲロはいて体調悪いのを看病したりしてたけど、生き物を育てる大変さってそこじゃないんだよなあ。
言葉も通じない、思い通りに動いてくれない、ゲロも糞尿もまき散らす相手に日々向き合って自分の時間を削って世話をする。そこを描かない。
生まれつき体が小さくて翼も小さいからうまく飛べない恐竜にむかってビシビシスパルタで飛ぶ練習をさせる熱血のび太。スポコンのび太。冒険が終わって帰ってきたら、一人で朝練で鉄棒の逆上がりを練習する。そしてできちゃう。
いや、そうじゃないだろ。のび太はそこはできないのがのび太だろって。もっといったら、鉄棒の練習をひとりでもくもくとなんかできるやつじゃないだろっていうね。ひとりで努力できるやつなら、ドラえもんは派遣されてないよ。
なんか違和感あるんすよねえ。映画ののび太は。どうも人間味がない。スネ夫が弱音はいたり、逃げようとしたりする役割を担わされてるけど、本来はのび太がそういうキャラのはずなんだけど、なぜか真面目で勇気があって熱血漢で正義のヒーローみたいなキャラにのび太がなってる。
こんなのび太はわたしの知ってるのび太じゃないよ。まあ、映画はそういう感じだったかな、昔のやつも。