まず見て思ったのが、松重豊さんけっこうジジイだなって。もうおじさんというより、半分おじいさん入ってる。渋いなあって。おじいさんが飯食うとこ見せられてもなあって思ったけど、松重豊さんの食いっぷりがすごくて笑った。
噛んでないんじゃないかと思うぐらいすごい勢いで肉や野菜や麺類、ごはん、キムチを静かに飲み込んでいく。松重豊の口はブラックホールか!っていうぐらい勢いよく料理が吸い込まれていく。ガリガリでほっそりしてて見た感じそんな大喰らいには見えない。
半分おじいちゃんだし。そんな彼がつるつると食材を吸い込んでいくさまはおもしろかったです。
ドラマもおもしろいんだろね。
お話がすごく変。子供のころに食べたスープの再現を塩見三省から頼まれる。松重豊は個人でやってる貿易商かなんかですかね。フランスに住んでる杏のおじいちゃん塩見三省の注文で絵画を届けたついでみたいな話で塩見三省が頼む。
子供のころに母親が作ってくれた、「いっちゃん汁」がものすごくうまかった。それを死ぬ前にもう一度食べたいなあって。でも詳しい作り方がわからない。わかってるのは4種類の出汁をつかったスープであるということだけ。
情報がなさすぎて無理難題なんすけど、松重豊は食に異常な興味がある人なので依頼をひきうけてスープの食材さがしに塩見三省の故郷、長崎に飛ぶ。なるほど、スープの食材探しかっておもって見てると、松重豊が遭難します。
え?どうなんの?みたいな。台風が接近してるときに、近くの島にスタンディングサーフィンの板で渡ろうとして嵐になって遭難。流されて気がついて上陸していたのが、韓国の島だった。
遭難してすぐに腹減ったからって、そこらへんで貝とかキノコとかとって即席の鍋して食って、キノコが毒キノコかなんかで泡吹いて気絶してたのは笑ったなあ。
どうなんの、これ?って。島は長崎近くの韓国領の島で、そこには食品研究所があって内田有紀ら女性たちが住んでいて無農薬野菜を育てたり料理の研究をやっていたのだ。そこで島の野菜や海の幸をつかった料理に舌鼓をうつ松重豊。
いや、飯はうまそうだけど、話はこの先どうなんのかなみたいな。
内田有紀は日本人?だっけ。なんかラーメン屋をむかし夫婦でやってたけど、コロナでいろいろあってうまくいかなくなって夫婦もだめになって、内田有紀はこの島にやってきたとかいう事情があるらしいです。
ふーん、そうなんですねえって。別れ際に、そうだまだお店やってるかわからないけどって、夫とやっていたラーメン屋の名刺を松重豊にわたす内田有紀。スープ作りのヒントやお手伝いになるかもって。
うん?どういうことなのか……。ラーメン?ってなんだかあやしい空気が。
そんで日本に帰ってきた松重豊。4種類の食材はなんとなく見当がついてそろった。しかしスープ作りをどうすればいいのか、料理は素人の松重豊にはわからない。寸胴鍋をとりあえず買ってみたもののどうしようかって。
そうだ、内田有紀の夫のラーメン屋に相談してみよう。どういうこと?ってよくわからないんだけど、ラーメンはラーメンスープを作るから、出汁のとりかたとか詳しいだろってことなのかな。
そんでその店に行ってみると、さびれてボロボロで営業してるのかしてないのか、店内もゴミだらけで薄暗い。でも営業してて、うちはチャーハンしかないよって薄暗い店内でやる気のない店主が言う。
しかたないからチャーハンを頼んで食べる松重豊。そのチャーハンがめちゃくちゃうまい。腕は確かなようだ。しかし、この荒れっぷりでは協力してもらうのは難しいかあって。
再びお店に行ってみると、別の客がいてチャーハン食ってます。こんな開いてるのかどうかもわからない、店内はゴミだらけでチャーハンしかやらないやる気のないオダギリジョーのお店に通ってる客がいるのかって驚く松重豊。
その客が、店主のオダギリジョーにラーメンをもう一度作ってほしいとかどうのこうのって言って、オダギリジョーがやる気ないって邪険にしてるのをみて、松重豊はその客と話してオダギリジョーのことを聞く。
どうやらオダギリジョーの腕は確かなようでスープ作りを頼んでみることに。そしたらオダギリジョーもまんざらでもなく、松重豊があつめた食材でのスープ作りをひきうけてくれて何日もかけてスープが完成。
試飲してみるが、なにかが足りない。おいおい、松重豊はいっちゃん汁を飲んだこともないのになんでこれじゃないってわかるんだよって、わけがわからないけど、違うらしい。
どうも煮干しにパンチがないってことで、そうかってひらめいて韓国で食べた魚の煮干しだってなって韓国からとりよせてそれでつくるとおいしいラーメンが完成。
みんなでラーメンを完食して、究極のラーメンが完成!って、あれ?ラーメン作りの話だっけ?ってなにがなんだかわからなくなる。
いっちゃん汁は?どこいった?
まあいちおう、そのスープを塩見三省におくって食べてもらうけど、これじゃない、これでは美味しすぎるんだって成功なのか失敗なのかよくわからないダメだしでてましたけど、この食材で杏が作ればちょうどよくなるかもって笑ってスープ探しは決着。
完成したスープでラーメン屋を再開したオダギリジョーのお店は大繁盛。松重豊はこっそりそのスープを韓国の内田有紀のもとにもおくる。届いた丼のロゴとスープを飲んで、はっ、これはあのひとの味だわって気がついた内田有紀はこれでラーメン作ったげるとうれしそうにみんなでわいわいやる。
どういうことなのか。このスープの味はオダギリジョーと内田有紀の思い出の味というわけではないのだが……。
あのオダギリジョーにラーメンをまた作ってほしいっていってた人は、テレビ局の関係者でドラマを撮ってた。そのドラマでオダギリジョーのお店をとりあげたかった。なんとそれは「孤独のグルメ」というドラマで主演は遠藤憲一。
松重豊もエキストラとしてドラマ撮影に参加するという楽しいお遊びシーン。そんな感じでお話はおしまいでしたっけ。
最後に、画面にむかって松重豊がお腹すいたでしょうって言って、どっかのお店に入っていっておしまいだっけ?
いやー、奇妙な映画を見た。スープ探しかと思って見てたらラーメン作りにいつのまにかすりかわっていた。思い出のスープを探していたら、誰の思い出も関係ないおいしいラーメンが完成していたんだ。
どんなトリックを使いやがったんだ!って、まんまと引っかかってしまった。いったいいつから錯覚していたのか、策略はいつから始まっていたのか。
でも、おもしろかったですね。
自分はもう年で食欲なくて食べ物に興味ないし、腹いっぱい食べることで幸福感を感じるってこともないから、こういうドラマで誰かがうまそうに食ってる映像を見て楽しむぐらいがちょうどいい。
今、若くてがつがつ食える人が見たら、松重豊の食べっぷりはいまいちに思えるかもしれないけどさ。年寄りから見たらすごい食べっぷりだったなあ。松重豊がどんどん料理を吸い込んでいく。丸呑み。松重豊はブラックホールかって感じだったもんなあ。