銃を発砲することもなく、暴力を行使することもなく、にっこり笑って銀行強盗を成功させてしまうロバート・レッドフォード。銀行強盗のシーンや逃走のシーンはあるけど、そっちを見せるのはメインじゃないです。
人生の幸せとはなにかみたいなのを見せるドラマでした。ロバート・レッドフォードは頭もいいし、人当たりもよくて、人と仲良くするのもうまい。銀行強盗をやって逃げ回るような人生を送るんじゃなくて、普通の平穏な人生を送ろうと思えばおくれる。
なのにそうしない。犯罪生活がロバート・レッドフォードにとって幸せな生き方だから。70歳をこえても連続銀行強盗をやってるんだから、相当なもんですよ。ほんとに犯罪生活が喜びなんだろうなあみたいな。
彼と接した銀行員は彼がとても幸せそうに見えたというし、防犯カメラの映像ではにっこり微笑むロバート・レッドフォードがうつってる。
刑事のケイシー・アフレックはちょっと呆れ気味です。でも、ちょっとロバート・レッドフォードに影響されて、人生は好きなことをやって過ごすべきだとおもって、嫁さんと夜にデートしてみたりします。
自分の人生なのだから好きなように生きる。それが他人からひどい生き方に見えたとしても、とんでもないと非難されるような生き方であっても。楽しいことをしない人生なんて人生じゃないってなもんですよ。
まあ、ひどい生き方ですよ。銀行強盗を繰り返すからいつ失敗するかもわからない。ずっと逃走人生。しばらくうまくやってたとしても捜査がすすんで捕まることもある。服役。そして脱獄。この脱獄するということも喜びなんだろうね。
仲間のダニー・グローヴァーやトム・ウェイツもかなり高齢のおじいさんだったけど、彼らもそういう犯罪生活でなければ生きがいを感じられないタイプの男なんだろうなあ。犯罪のスリルの中にいないと、生きているという実感がわかない人たち。
そんな人たちいるのかなって思ったけど、この映画は実在のフォレスト・タッカーという人物がモデルになってるんだって。いるんですね、スリルに身を任せなければいられないタイプの人。
ロバート・レッドフォードは逃走中にシシー・スペイセクをナンパする。彼女となら一緒に残りの人生を過ごしてもいいと思えるようないい人で、ロバート・レッドフォードもそうしようかと考える。
でもダメなんだよなあ。また銀行強盗生活に舞い戻る。いやー、70歳こえてもまだやるの?って感じです。そんな元気よくあるなあみたいな。まあ、生きがいをもって生きてる人って、高齢になっても元気なもんなのかな?
自分も彼のようになにか生きがいをもって生きるようにしようと思ったね。なかなかいい映画でしたよ。クライムサスペンスアクションを期待すると、肩透かしだけど、人生ドラマとして見れば楽しめるドラマでした。