コンパスがとれた、とかエンジンが停まった!とか言ってたけど、それぐらいで船体はまったくの無傷で嵐を乗り越えて進んでいく。大波に横殴りにあおられてもびくともしない小舟。夜になって、コンパスもなくてタンカーがどこにいるのかわからない。でも普通に救助艇は荒波を乗り越えて進んでいく。
どうなってんだろ。運転がうまいってことなのか。クリス・パインの操舵テクニックがすごいから嵐もなんのそのっていうことなのかな。大嵐もテク次第でどうとでもなるということなのか。
そしてタンカー発見。偶然ってあるんだ。それで梯子でタンカーから救助艇に乗組員が乗り移っていくんだけど、定員オーバー。乗せすぎ。でも沈まない。ぎちぎちに乗ってもびくともしない小舟。で救助成功って嘘だろっておもったら、なんとこれは実話だということです。事実は小説より奇なりっていうやつなのかな。
ときどき無理に見えることが現実では起きる。奇跡はたびたび起きてる。まあ、無理だったらやっぱり無謀だったねって言われるだけで、たまたまうまくいったものは運が良かったねってことになる。
今回の話も、タンカー沈没で乗組員死亡、救助艇沈没で隊員死亡という最悪の結果になってもおかしくない。
映画としてはどうなのかというと、前半はおもしろくないです。嵐とか救助とかそういうことより、人間関係が険悪なのが気になってしまった。タンカーの乗務員たちは、もめててギスギスしてるし、沿岸警備隊も威張るだけの上司にそんな上司を影で馬鹿にする隊員たち、クリス・パインは過去の救助のことで仲間内で微妙な感じになってるし、どこもかしこも人間関係が悪くて気が滅入る。
クリス・パインの恋人は大騒ぎするけど、誰も相手してくれなくて気持ちのやり場がなくて右往左往するだけ。災害じゃなくて、人間関係の描写のほうで気持ちが暗くなる前半でした。
それが最後、無事に帰ってこれただけですごいことだとみんな思うからなのか、なんかいい感じの雰囲気になっててそれまでのギスギスした雰囲気がなくなって、いいもの見れたなって感じでフィニッシュしてよかったです。