11日間いなくなってホテルに偽名で宿泊してるところを見つかった。事件なのかなんなのか、失踪の理由や何をしていたのかはよくわかってない。まあ、真相は夫の浮気に悩んでちょっと身を隠したら、世間が大騒ぎして大事になったので、出るに出られなくなって記憶喪失のふりしてみたりしたっていうことみたいです。
家出して夫の気を引いたら夫が追いかけてきてくれるんじゃないかと期待したら、夫じゃなくて世間が騒いで追いかけてきたみたいなことなんだろうなあ。
この映画ではそのへんをうまく使って物語を作ってます。そこがおもしろかった。アガサ・クリスティーは悩んでます。夫がもう自分を愛していないことに。それと読者が彼女の小説を素直に読まなくなってきてて、一番あやしくない意外な人物が犯人に違いないと先読みして全部読まずに犯人を当ててしまうことに。
どうやったら、思いもよらない人物が犯人だったという話を書くことができるのかわからなくて、ホームズでおなじみのコナン・ドイルに相談に行ったりしてんの。夫婦関係が壊れそう、創作にも行き詰まりそうなときに転がり込んできたのが、未解決事件の捜査の依頼です。
私は探偵じゃなくて小説家なんだからと一度は断るんすけど、気分転換になるかもと、いっちょやってみっかと探偵ごっこを始める。依頼主がいう容疑者候補たちに偽の遺産相続話の手紙をおくり、みんなをひとつの館に集める。
そこでアガサがひとりひとり取り調べして犯人を明らかにするという流れ。まるで彼女が書く小説のような設定です。ミステリファンなら楽しめるかな。