出演者がさあ、みんな年寄りになってて、見てて悲しくなってくるんすよねえ。有名タレントがいっぱい出演してるんだけど、みんな年寄りなんすよ。20年ぐらい前にのりにのってばりばりテレビドラマに主演クラスで出てた人たち。
おっさん、おばさんたちがメインキャストとしてたくさん出てくる。おっさんたちのほうは、おっさんおじさんを通り越して、おじいちゃんぽさも感じるぐらいの見た目になってるんすよ。
小日向文世さん、石橋凌さんとか完全におじいちゃん。石黒賢さんもすごいいい年齢になってんだなあ。渡部篤郎もこんな年とってんだ。看板で友情出演してたさんまさんもおじいちゃんすぎて泣けてくる。いやー、自分も年取ったなあってこういうとき実感しますね。
自分が若かったときに、ドラマやテレビで見てた若かった芸能人が、今もう老年期にさしかかっているという現実を見ちゃうと。
それがまだみんな若者だったときと同じような演技して同じような役やってるもんだから、いやー、そろそろみんな無理だろって。
お話も東野圭吾だから、古いのよ。お決まりの親族の死で警察を恨んで復讐するっていうパターン。なんかわかったようでわからないような犯人の動機。ミステリとしての仕掛けを先に考えて人間をあとではめ込んでいったんだろうなみたいな。
だから不自然極まりない展開と設定だし、犯人が何をしたいのかよくわからない。
古臭い話を古い顔ぶれで映像化してるもんだから、化石みたいな映画になってる。これ出演者は全部入れ替えて、今の十代とか二十代の俳優たちで作ったら、それなりにフレッシュに思えて見れたかもしれない。
主演の木村拓哉さんも長澤まさみさんも、もうさすがにこういうお決まりの昔のトレンディドラマみたいな役はきつくないすか。
こういう形だけのホテルマンごっこ、刑事ごっこみたいな役は、若い人がイキってやるからおもしろみが出る。いい年した大人がやっちゃうと、妙な重みがでちゃって軽快さがなくて楽しくないんすよねえ。
キムタクも長澤まさみも大ベテランなので、渋みがすごい。イキった刑事の役、ホテル命なホテルマンの役という熱さというか情熱というかがある役をやるには、フレッシュさが足りなさすぎる。
いやー、普通に若いときと同じように同じような演技してますよ。でも、もう若くないから違うんだよなあ。
映画を見て、自分が年取ったと実感する。なんでそんなことに時間を使わなきゃならないのかと。なんか悲しくなっちゃう映画だな。