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『ロブスター(原題:The Lobster)』【映画のあらすじとネタバレ感想】


シュールなSFドラマ。藤子・F・不二雄のスコシフシギなブラックSF短編マンガみたいな設定のSFドラマだった。ロブスターっていうからロブスター人間でも出てくる話かと思って見たんだけど、そういうモンスター映画ではなかったです。

世界観を理解するのにちょっと戸惑うかも。とくに説明があるわけでもなく、自然とわかる感じでもないので。独身者が許されない社会。独身になると森のホテルへ収監されてそこで45日以内にパートナーを見つけてカップルにならなければならない。

見つけられなければ、動物に変えられて森に放たれる。何になりたいのかは選べるようです。コリン・ファレルが収容されるんだけど、コリン・ファレルの希望はロブスター。飼ってる犬が兄なんだって。

動物に変えられることが珍しくなく、普通のことになってる近未来世界。

制度の細かいところや、動物に変える仕組みとか、どうなってんの?って考え出すと不自然でおかしいって思っちゃうけど、これはこの映画の世界ではそういうものなんだって納得して見るしかないですね。

細かい設定にツッコミだすときりがないので。

収容されたホテルでの暮らしが前半は描写される。奇妙なルールとかあるし。自慰行為は禁止。なのに性的な衝動を高めるためとかで、メイドがコリン・ファレルの股間に自分のオシリをこすりつける朝のルーティーンとかある。

1日目は片手を縛られてたけど、あれはいったいなんの意味があるのかちょっとよくわからなかったなあ。自慰がばれたやつが、トースターに手をいれられてお仕置きされてたのも、よくわからない。

それで時々サイレンかなんかが鳴って、ホテルの滞在者たちは麻酔銃をもたされて森に狩りに出かけます。何を狩るのかというと、逃げて森に潜んで暮らしてる違法な独身者たち。

この制度に反抗してるグループが森でゲリラみたいになって暮らしてるらしいんです。それを独身者たちに狩らせる。麻酔銃で撃ってしとめた数で、45日のリミットが延長されます。

すげえハンターの女がいて、毎回何人もしとめるので、170日とか延長になってたりするわけ。

そんな感じでリミットが迫るなか、コリン・ファレルたちはパートナー探しを始める。このパートナーになる条件というのも、この世界には決まりがあるようで、パートナーになるのは、共通項があるもの同士だけらしいです。

だれでもいいから一緒になればいいってわけじゃなくて審査される。コリン・ファレルは髪のきれいな女の子に声をかけるけど、コリン・ファレルは髪がきれいという特徴があるわけではないのでくっつかない。

鼻血がでやすい体質の女の子がいて、そいつとカップルになろうと思った男が、顔をぶつけて鼻血をだして、ぼくも鼻血がでやすいんだって嘘をついてカップルになる。

共通項がなくて、誰ともカップルにならない、なる気もない人は、おとなしく期限切れで動物にかえられていく。髪のきれいな女の子は馬に変えられてたなあ。ポニーか。

どうしようかってコリン・ファレルは悩んだ結果、凄腕ハンターの女に目をつけます。あの人感情がないんだとみんなから噂されてる無感情で冷酷な女。

コリン・ファレルも無感情で冷徹な人間だと装って彼女に近づいてカップルになる。自殺騒ぎがあってもまったく騒がない。冷徹女がマティーニのオリーブをのどにつまらせて死にかけるというお芝居をしてもコリン・ファレルはなんともないよって感じで放置。

わたしたち気が合うわねって女とカップルになって一緒に部屋で生活。正真正銘のカップルですねって判定されるのに段階があるんすよ。

相部屋になって過ごして、そこからボートでの生活になって、それで審査OKとなればはれて町に帰ることができる。

うまくだませたと思ってるコリン・ファレルなんすけど、ある日女があなたの犬をうざいから蹴り殺したわって言うわけ。え?って驚くんだけど、冷静を装って動揺を見せまいとするんだけど、やっぱり悲しくて泣いちゃう。

それで女はあんたやっぱり嘘ついてたのね、わたしと共通項ないじゃないって騒ぎ出す。管理者に言って処分してもらうって。

それは困るって麻酔銃で撃って動物変換装置の部屋につれってって何かの動物に変換して、なぜかメイドが手伝ってくれて、コリン・ファレルは森へ逃げ込む。そして独身者のゲリラグループに合流。そこで同じ近視のレイチェル・ワイズといい感じになって……。

こっからは森の中で暮らしてる独身者グループの話になります。なんかこのグループもどうやって生活してるのかよくわかりません。ホテルの人間が定期的に狩りにくるし、森ってそんな大きいのか、隠れて生活できるような設備あるのか、よくわからない。

メイドがスパイで情報や物資を提供していたり、ときどきカップルを装って町に買い出しにいったりしてるみたい。

女リーダーと一緒に4人で町へ買い出しついでに、女リーダーの両親の家によっていく。なんかけっこう裕福な家庭の人っぽいですね、リーダーは。両親は音楽好きという共通項のカップルのようで、楽器演奏をしてくれたりする。

このへんの細かい設定がどうなのかっていうのは、やっぱりつっこんでも仕方ないというか、そういう世界だからっていうことでスルーするしかないですね。

独身者ゲリラがホテル側に攻撃を仕掛けることもある。襲撃して愛を試すようなことをさせてカップルの結束をぶっ潰す。コリン・ファレルが、鼻血嘘男のヨットに乗り込んで、こいつは嘘をついてるって暴露するとかね。

独身者グループも自由に暮らしてるわけではなくて、リーダーのレア・セドゥのもとでルールにそった暮らしをしていた。それを破ったものには罰があたえられる。特定の誰かとカップルになっちゃいけないんす。

でもコリン・ファレルとレイチェル・ワイズがいい感じになって、二人で逃げて暮らそうとしてるのがばれて、レイチェル・ワイズは近視の手術だって嘘いわれて、視力を奪われて盲目になってしまう。

コリン・ファレルとの近視という共通点を奪われてしまう。共通項がこの世界では愛の証というか、愛する理由になってる。それがなくなってしまったわけですけども、献身的に彼女を世話するコリン・ファレル。

レア・セドゥを麻酔銃で撃って墓穴に放置して野犬がむれてやってきて、その間にレイチェル・ワイズをつれて町へ逃げ出すコリン・ファレル。

ダイナーで一息ついて、大丈夫ぼくも視力を失えば一緒だよってことで、ナイフを手にトイレにいくコリン・ファレル。それを席で待つレイチェル・ワイズ。

ここで映画は終わりです。トイレでコリン・ファレルは目にナイフをさそうとするけど、実際に刺したかどうかはわからない。

レイチェル・ワイズのもとに戻ってきたかどうかもわからない。そこは見てるあなたがどう思うかですねみたいな終わり方。

どうですかねえ。うーん、自分は目にナイフを刺さずにレイチェル・ワイズのところにも戻らずにってなるのかなって思ったけど。

共通項があるということで愛する理由がある、愛するべき相手だという納得、裏付けがあって、これは愛だと思うけども、それが失われてしまえば、愛だと想っていたものも、ただのいっときの気の迷いだったのかもと疑い出す。

そうなったらもう一緒にいる意味を見出せなくなるんじゃないか。

愛とはなにか、愛する理由とはなにかみたいな劇でした。しかし、独身者は人間である意味ないから動物にするっていう社会は、独身者の自分にはきつい設定だったですね。

人生の伴侶を見つけられず、一人でいるしかないものは人間にあらずって言われる社会。価値なし、意味なし、無な人生と言われているようで辛いなあ。



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