前半の迷子になるパートがよかったです。後半は大人になった主人公のパートになるんだけど、後半はイマイチなんすよねえ。前半の臨場感、緊張感、ダイナミックさにくらべると、後半は無理やり感動ドラマっぽくしようと引き伸ばしてる感じがしちゃった。
子役がいいんだ。サルーを演じてる少年がいいキャラしてるし、サルーの兄貴もいい味だしてます。迷子になっていく経緯もなんかリアルですごかったなあ。
夜仕事するからおまえは留守番なって兄貴に言われるけど、ぼくも行く、ぼくこんなに力持ちなんだぞって駄々こねるサルー。仕方ないなって連れて行くんだけど、子供なので夜眠たくなっちゃって駅のベンチで寝だす。
ここで待ってろよって兄貴は仕事に行く。サルーが目覚めると兄貴はいない。列車をさがすけど見つからない。誰もいない。それでまた眠くなって列車の中で寝てしまう。
そんで起きたら列車が動いてんの。回送列車でどこにもとまらずどんどん遠くへ行っちゃう。ついた先が大都市の駅で、言葉も通じない。インドって多言語国家で地域によって全然違う言語らしいですね。
やべえ~って焦るサルーだがどうにもならない。頼れる人もいないし、ここがどこかもわからない。もといた村がどこなのかも、子供なのでぼんやりとしかわかりません。切符売り場で喚いても誰も助けてくれない。
仕方ないので、地下道でホームレスの子供たちがいてそこになんとなくいたら、夜になって子供さらいのおっさんたちがやってきて次々と子供たちが捕獲されていく。警官かなんかは黙認。というか警官が手引してるのか。命からがら逃げ出したサルー。
とぼとぼ歩いてたら、なんか気の良さそうなおばさんが声かけてきて、うちにおいでよって誘われて家に行ったら飯食わせてくれて水浴びもさせてくれて、ああいい人に巡り合ったなあってほっとしてたら、
明日、助けてくれるおじさん呼んだからって言われて、おじさんがやってきて、サルーの体をいろいろとチェックして品定めしだして、なんかやばいと察知したサルーはまた逃げ出します。優しいおばちゃんだと思ったら、サルーを幼児性愛者に売り飛ばそうとしてた悪いやつだった。
なんだろ。インドって幼児の人身売買が横行してるのかな。そういう描写が怖かったなあ。そんで路上生活してたら、サルーのことが気になった青年が警察か役所かなんかに連れてってくれて、迷子として保護される。
サルーが村の名前を言ってもそういう村はないし、どうしようもねえなってことで、施設に移されます。その施設もひどいもんです。迷子か捨て子かの子供たちが集められてる施設なんすけど、夜になるとおっさんがやってきて子供をお金で買って外に連れ出してとかやってんの。
夢も希望もないっていうときに、サルーに養子の話がもちかけられます。オーストラリアの夫婦がサルーを子供として迎え入れたいと言ってると。ニコール・キッドマンが演じてます。
養子の話もってきたおばさんによると、迷子として写真入りで新聞にのせたけど反応はなにもなかったとのこと。お母さんやお兄ちゃんは自分のこと探してると思ってるけど、見つかんないんなら施設を出たほうがいいのかなって養子に行くことにする。
ニコール・キッドマン夫妻はいい人で、サルーはやっと落ち着ける家を見つけたのだった。この夫妻、サルーだけでなく、もう一人インド人の養子を迎えます。マントッシュという名の子供なんすけど、心を病んでいて突然泣きわめいて暴れ出す。そして時が流れて……。
こっから後半。大人になったサルーの話になる。
サルーは優等生でマントッシュは落第生。ホテル経営かなんかの学校へ行くことになってそこでルーニー・マーラと知り合って恋人に。順風満帆な未来へと進んでいたけど、迷子になって生き別れの母親や兄のことが気になってくる。
夢で母親や兄が出てきて必死にサルーのことを探してる光景とか見たりするようになる。子供のころに迷子になってほんとうの親や村がどこなのかわからないと級友に話したら、そんならグーグルアースで探してみればいいじゃないって教えられる。
当時の列車のスピードからどれぐらいの距離を移動したのか予測して、その距離にある駅を虱潰しにグーグルアースで見て回って、子供のころの記憶と合致する場所がないかさがす。
本当の母親探しは、よくしてもらったニコール・キッドマン夫妻への裏切りではないかと後ろめたく思ったサルーはだんだん生活も荒れて、ルーニー・マーラとも関係が悪くなって、ニコール・キッドマンとも疎遠になって行きます。
部屋に閉じこもってグーグルアースをいじってすごす毎日。でもなかなか見つからない。もうおれはなにがしたいのかわかんないやって追い詰められて、めちゃくちゃにグーグルアースをいじってるとふと記憶にある地形が目に留まる。
そっから記憶と照らし合わせてグーグルアースを辿っていくと見事に生まれ育った村を見つけます。ここだ~って。そんで現地に飛ぶんだけど、25年もたってるから、母たちがそこに今も暮らしてるとはかぎらないわけで。
現地についたら、確かに、子供のころの記憶のとおりの風景で暮らしてた建物もあるんだけど、ヤギ小屋になってて、やっぱりいないのかって落胆してたら、通りかかったおっさんがどうしたんだって声かけてきて、こういうわけで昔ここに住んでたんですって言ったら、
ちょっと待ってろってなって、母親がやってきて再会。母親は引っ越さずに近所に住み続けてたらしいです。感動の再会。兄ちゃんは?って聞いたら、兄さんはなくなっていたので悲しみ。
サルーが迷子になったときすぐになくなったとか言ってたなあ。
まあ、そんな感じでハッピーエンドになってました。エンドロールでは、実際の本人たちが出てきて、オーストラリアの養母と一緒にインドの母親のもとを訪れたときの映像が流れたりします。
うーん、やっぱり前半の良さにくらべて、後半がイマイチなので、尻すぼみな感じはしました。
しかし、世界ではすごいことが起きるもんですね。迷子になって遠い国の養子になってそして見つけてって。ニコール・キッドマンが演じた夫妻もすごいな。自分たちで子供をもうけるよりも、困ってる子供をひきとって育てたほうが
世界のためになるんじゃないかって養子をインドからむかえる。なかなかできることじゃない。