タイのサッカーチームの少年たちが鍾乳洞に遊びに行く。なんかよくわからんけど、観光地なのかな?洞窟があってけっこうな長さの洞窟。いつも行ってるみたいだった。サッカーの練習終わりにみんなでわーわー言って洞窟に入って進んでいく。
そこに豪雨。雨季にはまだ早い時期なんだけどめちゃくちゃに大雨。それでサッカー少年たちが帰ってこないから心配して親が洞窟を見に行くと水浸し。少年たちの安否は、はたして……っていう話。
ヴィゴ・モーテンセンやコリン・ファレルは潜水士?プロのダイバーの役でした。少年たちをさがす、救うためにタイだけでなく世界各国から支援が始まって、ヴィゴ・モーテンセンたちは洞窟とか特殊な場所でのダイビングの技術をもってるダイバーだから協力要請があったみたいな感じだったか。
そんで現地にとんでもぐって洞窟の中をすすんでいく。大雨がとまらなくて、鉄砲水とかあるし、洞窟は狭いしで普通にもぐるだけでも命の危険があるような状況になってます。
これはもう少年たちは生きてないだろう。遺体を回収することになるかもってなかばあきらめていたら、洞窟の奥で少年たちは全員無事なのが発見される。
わーい、やったーって見てるこっちはちょっとうれしくなるんだけど、ヴィゴ・モーテンセンやコリン・ファレルは険しい顔で笑顔はありません。
そうか、この状況でどうやって少年たちを洞窟の中を移動させたらいいのかという難題にぶつかってしまったから厳しい表情のままだったんすねえ。プロのダイバーでも危険な洞窟内を子供が潜水して進めるわけがない。
プロのダイバーが6時間とか7時間かかる。
かといって水がすぐにひくことはない。このまま洞窟の奥で衰弱して死ぬか、鉄砲水かなんかで崩落でもして死ぬか。長引けば長引くほど状況は悪くなっていく。
それでヴィゴ・モーテンセンは医者を招集する。うん?医者?ってなって、もしや、もしかして、いや、無理だろ、まさかって思って見てると、麻酔医が子供たちを麻酔で眠らせて動かない状態にして荷物を運ぶようにダイバーが運搬していくという方法を思いつく。
こんな方法うまくいくわけない、奇跡でもおきないとってみんな思ってるんだけど、もうこれしか方法がない、これにかけるしかないってなるわけ。
麻酔がききすぎて死んじゃうかもしれないし、途中で麻酔がきれて目覚めて混乱して溺れるかもしれないし、13人のうち何人か、もしかしたら大半が死ぬことになるかもしれない。
まあでもゴーサインがでて計画は実行されます。そのかん、ポンプで洞窟の水を排水したり、山側から雨水が流れ込むのを防ごうとする試みが続けられたりします。排水してもどんどん流れ込むから、流れをかえようと。
それで田んぼに排水することになる。田んぼはそれで全滅しちゃうんだけど、農家の人は少年たちの命のためならって協力してくれる。
最後、奇跡がおきる。なんと13人全員が無事に生還を果たす。一人、また一人と成功して二人、三人、四人ってうまくいくと、どんどん緊張感が高まっていく。
最初は一人でも救えたら御の字だという心構えだったのが、うまくいくともしここで誰かひとりでも死んだら台なしになるという気持ちに変わっていく。これはきつい。相当なプレッシャーです。
まあ、でもすごいひとがいるもんですね。あんな危ないところを潜水する技術をもってる人たちがいるんだ。
子供は助かったけど、タイの軍の人でなくなってしまう人が出て、そこは悲しくて手放しに喜べない感じでした。
うーん、どうだろ。実際の事件をもとにした映画が苦手なんすよ。映画として飛躍したドラマを見せてくれなくて、再現映像になってる作品が多いから。
この映画も、もっと映画的に物語を描いてほしいと思ってしまう感じの映像と展開だった。これが実際におきたことかあっていうことの迫力は感じる。
少年たち、ダイバーたち、どちらも主役ではなく、刻一刻とせまってくる危機を描写するのが主役になってる。
一応人間ドラマを感じるシーンはあるけどね、少年たちがコーチのはげましで恐怖に負けず救助を辛抱強く待っていたみたいな描写とか、コリン・ファレルが息子と電話するとか、ヴィゴ・モーテンセンが帰宅してポケットに入っていた少年の母親からもらったお守りを見てほっとするみたいなシーンとか。
もっとそういうのが見たい。
こういうことがありましたっていう状況の描写ばっかりになってて、人間ドラマが少ない。映画なんだから、脚色して現実よりも現実にみえるドラマを展開してほしかったなあ。
よく言えばリアルなノンフィクション風。でもやっぱりそれじゃあ映画を見たっていう満足感はないんだよなあ。