って感じでスタート。緑魔子が田舎で父親におかされて逃げるように上京。ハナ肇のクリーニング屋で働いたり、ストリッパーになったり、ヤクザの美輪明宏の情婦になったりするのがドラマで描かれる。
美輪明宏さんが普通にヤクザものの役をやってるのが新鮮でおもしろかった。偽東大生になって浅草の道端で、誰でもすぐにネイティブみたいに英語を喋れる画期的な英会話法の冊子を売る口上をする。
いやー、なんかおもしろかった。緑魔子とベッドシーンもやってるし。なんかちょっとキムタクに見えるような優男。
緑魔子の半生を追っていく劇が進行して、ときどきなべおさみが出てきて、キャストたちにダメ出ししたりする。感情をなしにして、役になりきってセリフを言えばどもることはない。それで吃音が矯正できるという理論らしい。
そして劇場のシーンになってみんなで歌ってると誰かによってなべおさみの背中にナイフが突き立てられて……。
そんでそこからガラリと雰囲気が変わります。それまでの劇は実はどもり患者はなべおさみで、本当の教授は美輪明宏。他のキャストはまったく吃音ではない。なべおさみは代議士で、緑魔子は東京妻、他のキャストは運転手やお手伝いや秘書たち。
アメリカ仕込の理論で美輪明宏がなべおさみの吃音をなおすために、なべおさみをどもらない教授の役にして劇をやってみたということなんです。しかし、何者かによってなべおさみが刺されたことで試みは失敗。
誰がなべおさみをさしたのか犯人探しが始まる。こっからは探偵ものミステリーみたいになります。みんなアリバイがある。なぜか全員がゲイで男は男同士、女は女同士でくっついててアリバイがあるって主張。
アリバイがないのは美輪明宏と緑魔子。追求されると苦し紛れに美輪明宏は緑魔子と一緒にいたと言うと、刺されて死んだはずのなべおさみが登場して、ついに浮気を突き止めたぞと啖呵を切る。
なべおさみが吃音というのは嘘。美輪明宏と緑魔子の関係をあやしんだなべおさみが策略をめぐらしたのだ。しかし、美輪明宏は緑魔子の浮気相手は自分ではないと抗弁する。
緑魔子は耐えきれず、ほんとの相手は佐藤蛾次郎だと自白。田舎でぼくは作曲家になるんだとお互い夢を語った同級生の佐藤蛾次郎と関係していたのでした~。
涙ながらに佐藤蛾次郎と抱き合う緑魔子。ここから修羅場かと思ったら、美輪明宏が手を叩いて劇の終わりを宣言する。ここまでが劇なのでした。
さあ、それではみなさんどもりは治ったかな~って美輪明宏がキャストたちに発声練習させてみるけど治ってない。うーん、今回の治療は失敗だ。
じゃあ今度は指を折りながら喋る方法をみんなでやってみようって新しい治療をみんなで始めておしまい。
なかなか変な映画でした。お芝居と現実の境目がわからない。不思議な空間。不思議な時間が流れていく。