無理にシャイニングとつなげてるとしかおもえない。こじつけ。シャイニングの子供ダニーが大人になったという設定のお話。ダニーを演じるのはユアン・マクレガー。アル中の中年オヤジです。
父親を狂わせたホテルに巣食う異界の怪物たちに悩まされ続けていた。ユアン・マクレガーは特殊な能力をもった子供。その能力のことをシャイニングと呼んでたんすけど、黒人の男からいろいろとちからの使い方を教わって
どうにかこうにか生きてきた。バケモノを心の中に作った箱に閉じ込めるという技をあみだしてどうにかこうにかやってきてる。
まあ、いつものスティーブン・キングの超能力ものです。能力があるがゆえに悩む人間っていうやつ。
一方そのころ、謎のヒッピー集団が子供を殺して回っていた。彼らはなにか能力がある子供を殺してその生気を吸い取って生きながらえている邪悪な存在だったのだ。リーダーはカンカン帽かぶった女。レベッカ・ファーガソンが演じてます。
シャイニングをもってる子供の生気、魂を吸い込むことで自分の寿命にするみたいな感じですかね。死ぬときに口からけむりみたいなもやが出てきて、それを吸い込む。まるでドラッグでもきめてるみたいに。
それがなんか笑えるのが、その生気をステンレスのボトルに保存してんの。魂ってステンレスボトルに保存できるんだ~って笑える。あれサーモスとか象印とかタイガー魔法瓶とかかなみたいな。
さらにそのころ、強力なシャイニングの持ち主、黒人の少女アブラが邪悪なヒッピー集団の残虐なおこないに気がついていた。カイリー・カラン演じるこの少女は最強サイキックガールです。読心術、念動力、テレパシーなんでもできる。
ユアン・マクレガーとも住んでる場所が離れてるのに、同じちからの持ち主ということで接触してて友達になってます。
それでひどいことしてるやつらがいるから、そいつらをどうにかしようと、アブラがダニーのところにやってくる。一緒に戦おうって。でもダニーは目立たないようにして、知らん顔しないと危ないって拒絶。
敗北感にまみれたアル中の中年オヤジだから、面倒なことにはもう巻き込まれたくない。アブラのほうは、力が強いのでちょっと調子のってるんすよ。怖いものなし。自分は強いから、どんなやつらでも負けないって思ってる。
まあ、そのへんは子供なので浅はかです。自分はいいけど周囲の人間にも危険がおよぶことに頭がまわってない。
レベッカ・ファーガソンとアブラがお互いの頭の中に侵入して攻撃しあったり、遠距離での小競り合いがあって、それが接近しての直接攻撃の戦いになっていく。
なんか超能力バトルっぽい感じになると思うじゃん?ならないんすよ。レベッカーファーガソンの仲間たちに、いろいろと特色ある能力があると思うじゃん?ないんすよ。とくに超能力なし。
冒頭でレベッカーファーガソンが、人に命令して言うことをきかせられる能力者の少女エミリー・アリン・リンドを仲間にする描写があったので、てっきりそれぞれなにか能力があって
それを使って戦うんだろうなって思ったんだけど、超能力の戦いにはなりません。
普通に銃で戦う。
ユアン・マクレガーと友達が猟銃で邪悪ヒッピー集団を撃ち殺していく。撃たれたヒッピーは消えてなくなる。超能力ないの?普通に銃で?みたいな。
サブリーダーみたいな男は、交通事故で死にます。シートベルトしてなくてユアン・マクレガーがのりうつったカイリー・カランがハンドル奪って木に激突。サブリーダーはフロントガラスを突き破って飛んでいって死亡。
人の魂吸って生きてるやつが、普通に交通事故で死ぬってなんか間抜けだなあみたいな。
そんで最後に残ったレベッカ・ファーガソンとの対決になるんすけど、なぜか「シャイニング」のホテルを最終決戦会場に選びます。ユアン・マクレガーが今は廃墟になってるあのホテルに行って、
ホテルにとりこまれた父親の霊とバーで会話したりする。「シャイニング」で印象的だった血の洪水の映像や、双子の映像、バルルームの老婆とか出てきます。
斧をもって待ち構えるユアン・マクレガー。シャイニングのジャック・ニコルソンのようになってアブラを殺そうと追いかけ回したりとかなるんだけど、
なにこれ?っていう疑問しかわいてこない。いや、普通に銃でレベッカーファーガソンを撃てばいいだろ?としか。
なんでわざわざホテルに誘い込んで、ホテルの悪霊たちに襲わせる必要があるのか。ホテルの悪霊との決着と、レベッカーファーガソンたちとの決着は別の話なのに、いっしょに片付けようってことなのかな。
バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!ってこと?いや、普通に銃で撃ったらしまいやん?としか。
レベッカ・ファーガソンはユアン・マクレガーが閉じ込めていた悪霊たちによって生気を吸い取られて絶命。ホテルは燃えてユアン・マクレガーも一緒に燃えてアブラはもとの生活にもどる。
といっても、父親は殺されちゃってるんだけどね。死んだ人はなくなるわけじゃなくてそばにずっといるから大丈夫みたいなこと言ってたけど、なにいってんだよ!みたいな。
調子こいたせいで父親が死んでるのに、お気楽なこと言うねみたいな。善玉のように思ったけど、いや、こいつもたいがい邪悪じゃないかみたいな。
それにユアン・マクレガーもろくなやつじゃないよ。自分を助けてくれた恩人の友達を、こんな闇の戦争にまきこんで死なせてしまうし。
友達はシャイニングもないし、普通にいいやつなだけなのに、ユアン・マクレガーとかかわったから死ぬことになった。いや、あの友人もシャイニング持ちだったのかな?
困ってる人を助けずにはいられない、困ってる人を見抜いてちょうどいい具合にちからを貸せるというシャイニングの持ち主だったのかもしれない。
ひどい話だな。
「シャイニング」の続編という形でシャイニングにのっかってこんなしょうもない話をやる。ひどい話だし、ひどい映画だ。
超能力持ちに善も悪もない。やっかいなやつらだからみんな苦しむみたいな。そういうことですかねえ。