前半は輸送トラックを運転する男たちがどういう経緯で南米奥地にやってくることになったかを描きます。ある男はナチ・ハンター。ある男は爆弾テロリストで追われる身で南米に流れ着いた。ある男は強盗団の一員でヤマに失敗して南米に高飛びした。ある男は金融関係で失敗して南米へ逃げてきた。
いずれも故郷にいられなくなって南米で泥水すする生活に落ちてきた男たちです。こんなところで消耗してその日暮らし死んでいくのかと絶望状態。なんとか身分証明書と航空チケットを手に入れて国に帰りたいと思ってます。
でもそんな金はないし、稼ぐ手立てもない。油田のバラック小屋で暮らして日銭をなんとか稼ぐしかない。そういうところに油田で火災発生。火災を止めるためにグリセリンで爆破するということで保管していたニトログリセリンを油田まで運ぶことになります。
ニトログリセリンは衝撃を与えると爆発してしまう危険なブツ。それを積んだトラックでちゃんと整備もされてない山道を走る。命知らずの馬鹿野郎しかできない仕事です。報酬は8000ペソだかなんだかで、1万ドルぐらいですかね。けっこう良い金額なのかな。
まあ、それでもうこれに賭けるしかないということで男たちが志願して輸送を開始する。いやー、いいんだよ。顔つきがね。やるしかねえぞ、成功する可能性は低いが、でもやるしかねえんだっていう顔。
ボロボロのトラックを整備して荷台にニトログリセリンを積んで出発。2台のトラックにそれぞれ二人が乗ってジャングルを進む。吊橋を渡ったり、大木が倒れて道を塞いでるところを爆破したりと、何度ももうダメかという局面が立ちはだかる。
吊橋のシーンの迫力がすごい。どうやって撮影したんだろう。ほんとに吊橋をギリギリに傾いて走っただけなのか。めっちゃ危なそう、ギリギリやばいって感じのスリルがある映像になってました。
道をふさぐ大木をニトロで爆破してやったぞ、これでいけるってなったときに、安心したのか男の一人が家族の話をする。いやー、奥さんがいて、最後に会ったときにこの時計をプレゼントしてもらったんだよ、とか話すんですよ。
うわー、フラグたったあって思ったら、案の定、トラックが道を踏み外して転落して爆発してお陀仏です。危険を乗り越えてホッとしたときに、これが終わったらおれ家族のところに帰るんだとか、あの子に結婚するっていうんだとか言い出すと、そいつは死んじゃうっていう定番のムーヴ。
1台は爆発で終わり。もう一台はゲリラに止められて万事休す。もうダメかってなるんだけど銃撃戦になってロイ・シャイダーだけ生き残る。ロイ・シャイダーは発狂寸前ですよ。
ニトログリセリンがいつ爆発するかもわからない緊張感。他の仲間は全員死んだ。最後はトラックが壊れて止まって、ニトログリセリンの箱を担いで徒歩で油田に到着。
ロイ・シャイダーは見事輸送を成功させたということでお金と身分証明書をもらいます。でも小切手でもらってもこの身分証明書じゃ換金できないじゃないか、現金でくれといっても現金はもらえない。
やれやれ、命がけの仕事の報酬がこれっぽちかよって、出発前におまじないをしてくれた酒場の女とダンスして終わり……、かと思ったらそこにロイ・シャイダーがやった強盗で仲間が撃ったやつが大物の親族だったので、報復するために殺し屋が送り込まれてて、殺し屋がタクシーで到着。
ロイ・シャイダーがいる建物に入っていって、銃声がしてエンドです。
これが報酬。死が報酬だったという皮肉。ハイリスクな賭けはハイリターンを生むと一般に思いがちだけど、そんなこともないのが現実か。