スタイリストやってる女の子がバカンスに出かけるために飼い猫を預かってもらう。預けた先はミヤコ蝶々みたいなおばあさんのところ。犬やネコをたくさん飼ってる。バカンスから帰ってきて黒猫を迎えに行くと、猫が窓から逃げていなくなってしまったという。
いなくなった猫を探して、街をあちこち歩き、探し猫のビラをはってまわるのだが、猫の姿はどこにもない。こんな感じで主人公の暮らしと街の様子、ミヤコ蝶々らおばあさんたちのネットワークやなんかを描写していく。
再開発であちこち古い建物を壊してる様子なんかも映し出されます。パリという都市で暮らす市井の人々を映す映画。街映画かな。町とそこで暮らす人々のドラマを見せるやつ。
主人公の女の子は彼氏がほしいわ~ってバーでいい人いないかなと探すんだけど、好みじゃないナンパ男にからまれたり、その彼女というやつにからまれたり、バーテンのレズの子に迫られたりとなかなかうまくいかない。
ゲイの同居人は別れてもすぐに新しい彼氏ができて楽しくやってるというのに、わたしはなんでうまくいかないんだろうみたいな。猫がいなくなって全然見つからないのと同じで、主人公の心の空虚はうまらない。
マダム連中の知り合いという男に猫探しを手伝ってもらったりもするんだけど、この男は子供のときに高いところから落ちてそれからちょっと頭が弱くなってて友達連中にからかわれたりしてる。でも心はいいやつ。
あとなんだろね。猫が死んでるのが見つかったと言われて空き地に見に行くんだけど、死んでた黒猫が違う猫だったとわかって安心してその場を去るシーンとかもあります。自分の猫じゃなかったらいいのかいな、けっこうドライだねみたいな。
頭の弱い男が見つけたといって、色の違う猫を追っかけて屋根から落ちかけるとかもある。男も猫も見つかんないってモヤモヤしてるときに、いい男を発見する。度々、道やバーで見かけてちょっといい男じゃないって思ってた男と知り合いになれて即ベッドイン。
いい男見つかったわ~って思ったら、その男は電話で別の女と会う約束とかして平気なやつで主人公とはただの遊びでまじめに付き合うとかできるタイプの男じゃないとわかってがっくり。
猫は突然見つかります。ミヤコ蝶々が病気で具合が悪いからと見舞いに行ったら、台所のコンロの後ろから何やら声が。探ってみると飼い猫がいた。どうやら部屋から外へ逃げたわけではなく、狭いところに挟まってただけだったようです。
猫探しをとおしていろんな人と出会えた。新しい出会いがあれば別れもある。近所の知り合いの画家は部屋を追い出されてパリを去ることになる。町も再開発で古いものが取り壊されて様変わりしていく。
でも主人公は元気になった。猫が帰ってきたから。猫が帰ってきたというのは、主人公にとって大事なものが戻ってきた、元気を取り戻したというメタファー。