女郎屋が出てきて、女同士の喧嘩というかいたぶりというか、そういうのがありますし、殺陣は泥臭い殺陣で、血がブシューっとでたり泥まみれになったりしますし、五社英雄の時代劇といえばこういう感じっていうシーンが随所にありました。
ストーリーとしては御用金運搬をめぐってのいざこざ。宿場をしきるのは盲目の宮園純子。宿場の利権をぶんどろうと狙う遠藤辰雄からの嫌がらせに困っていた。そこに流れてきたのが、居合抜きの達人、夏八木勲ってわけ。
牙狼之介きばおおかみのすけ。腕はたつが銭はない。飯屋で飯食ったあとに、銭がないから働いて返すと薪割りやったり雨漏り直したりしてる流れ者。自由人。フリーマン。宮園純子から頼まれて御用金運びの護衛をすることになります。
宮園純子に慕われて、ムフフな夏八木勲。風呂でお背中流します、望むのならわたしの体をあげますといわれて大てれの夏八木勲です。その日の飯さえ食えたら、銭も名誉もいらないというワイルドな男で野心もない。
ヒゲモジャの風貌と元気いっぱいな夏八木勲の演技で牙がどういう男なのかっていうのがよくわかります。遠藤辰雄は牙の腕前を見て、こりゃ助っ人がいると腕の立つ男を呼び寄せます。それが内田良平。
金さえもらえれば、悪党の加勢でもなんでもするという冷徹な剣豪。それで御用金の運搬っていうことになって乱戦に突入します。
刀でやり合うシーンはけっこう全編にありますね。スローモーションで表現されている部分もあります。まあ、けっこう昔の映画なので迫力があるのかというとあまりないんだけど、見せ方を工夫してるなあって思いました。
アクションよりも見どころは人間関係ですかねえ。遠藤辰雄と宮園純子が実は過去夫婦だったということが最後にわかります。宮園純子はもともとちゃんとした武家の娘だったが、足軽の遠藤辰雄にほれて二人で駆け落ちした。
それがいろいろあってはぐれてしまってそれぞれが違う立場で再会することになったわけ。そこにドラマがありますねえ。こんな再会はのぞんではいなかったという切なさ。
夏八木勲は宮園純子といい感じだったんだけど、彼女が人情よりも地位を守ることを優先する女だとわかって幻滅する。御用金の運搬はおとりと本命の2グループあった。夏八木勲と宮園純子の仲間が運んでいたほうがおとりだった。
それを遠藤辰雄に襲撃されて村の人間たちは死んでしまう。
夏八木勲をおとりにするのはかまわないが、村の仲間まで危険にさらして、地位を守ろうとした宮園純子にがっかりです。
最後、夏八木勲と遠藤辰雄が一騎打ちで夏八木勲が勝利。宮園純子と一緒にはならず、村を去っていく夏八木勲。あんたはこっち、俺はあっちだといって別れるのが渋いですなあ。