そういう話でした。どうなんだろうなあ。ドラマとしてはよくできてはいないような気がしたけど、なんか雰囲気で見れてしまう感じというかなんというか。阿部寛と音楽隊のメンバーとのやり取りは多少描かれるけど、なんかそれほど盛り上がる展開があるわけでもない。
娘とのドラマも描かれるけど、これもさほどどうということもない話というか。痴呆になった母親との話もなんかもっとあるのかなあって思ったけどとくに深くは掘り下げてなかった。刑事の後輩との和解も、なんか形だけの描かれ方のような。
一応、阿部寛と周辺人物たちのやりとりが描かれるんだけど、どれもアリバイ作り的というか、あんま突っ込んだ話にならず、表面上のやりとりだけに終わってるように感じてしまう。
まあ、そう思うのも歳のせいだろうね。昔見た映画やドラマでよくあるやつだって勝手に思っちゃっていまいち新鮮な気持ちで見れない。形だけやってんなあみたいな。そう感じてしまう。
最初の阿部寛が鬼刑事であるという描写もどっかで見たことあるようなベタすぎる描写なんすよ。チンピラの家に行って強引に尋問するシーン。チンピラはなぜかバーベルで筋トレ中。バーベルを押し付けておどすってなんか、どっかで見たことあるなあみたいな。
阿部寛が鴨居に額ぶつけて血だらけになって、脅すのもなんかマンガとかででてくる鬼刑事そのものだなあみたいな。そんな感じでどっかで見たことあるようなやりとりが続く。
新鮮味はないけども、ベタなというか、よくわかる描き方してるともいえるわけで、わかりやすい映画だなとは思いました。
ちょっとやめてほしかったのが、音楽隊のファンのおばあさんを殺したことですね。あれやめてほしい、泣いちゃうから。音楽隊の演奏会にいつもきてくれてたおばあさんが、連続強盗事件の犠牲者になって死んでしまう。
遺体安置所で音楽隊がお見送りの演奏をするんだけど、やめてほしかったなあ。泣いちゃうから。悲しすぎる。殺さなくてもよかったんじゃないか。阿部寛が犯人に憤る、犯人逮捕へ全力をつくすという理由付けのために、おばあちゃんの死を描いてるのはわかるんだけど。
主人公の怒りパワーを増すためのイベントみたいに死を扱ってるみたいでなんかやだなあと。それに悲しいじゃん、普通に。死者を音楽を手向けに見送るって。
最後は犯人逮捕で音楽隊が大活躍、音楽隊解散危機も回避、後輩刑事とも和解、みんないい感じでいい気持になってエンド。良い気持ちでしめくくってくれたのはよかった。まあ、でもなんていうか、おいしいファミレスで食事したみたいな映画だったなあ。
おいしいけど本当のおいしさじゃないみたいな。見た感じよくできてるけど、じっくり見るとニセモノだみたいな。なんかそういう寂しさを感じました。