作りがすごく昔の映画みたいでした。なんだろな、なんか変というか、わざとらしいというか、血を長々と見せつける露悪的な悪趣味な映像作りと、ギンギンにギラギラなシンセのBGMとのマッチングが、昔のホラー映画、スラッシャー映画を思い起こさせる。
映像の質感は今っぽくてキレイなんすけど、なんか見せ方が古臭いというか、ダサいというかな感じがするなあと思ってたんだけど、監督がダリオ・アルジェントなんですね。「サスペリア」の人。そりゃ古く感じるはずだ。まだ現役なんだ、すごいっすね。
独特のムードというか、血の見せ方、恐怖の演出に特徴が感じられる。まあ、けっこう変だけどね。なんだろ、やっぱりなんかわざとらしさを感じるんすよ。スタイリッシュでもない。リアルで泥臭いでもない。
わざとらしく見せつけてくる感じの見せ方。ほらほら、血がドバーッってでてるぞ~って見せつけてくる。冒頭、喉を切られて絶命するコールガールなんか、長々と血が吹き出すのを見せるし。
襲ってくる犯人の描写も最初は謎の人物って感じでムードあるんだけど、中盤、後半は正体が観客にはわかっちゃうような見せ方するし、なんか怖いというより、なんかおもしろいと感じてしまう。
主人公が失明することになる交通事故で中国人の家族がまきこまれて、まだおさない男の子が孤児になる。その子と主人公が交流して、行動をともにすることになる。目の見えない主人公と、非力な子供というバディが襲ってくる犯人と戦うことになる構図。
これはおもしろそうだと思ったけど、さほど生かされてなかったかなあ。子供が良かれと思って電話かけたことで犯人に居場所がばれたり、沼地で突然子供がどこかへ行ってしまったりと、ただ窮地をつくるための存在かみたいな。
主人公が失明して、盲導犬を飼うんだけど、こっちはラストに生かされてましたね。犯人が犬のブリーダーで、主人公の家に忍び込んだときに盲導犬をいい犬だっていうことで持ち出していた。それで最後、主人公の危機に主人公の命令をきいて犬が犯人に飛びかかって噛み殺す。
犬が殺人鬼をガジガジかじるのこれまた長々と見せる。その見せ方があまりうまくないというかなんというか。うーん、なんか変な感じがするんですよねえ。自然さがないというか、不自然さを感じる。
そこが味でいいんだろうね。