話は宇宙。地球がだめになってきているので、移住できそうな新しい惑星を見つけてそこに人類を送り込む計画がすすめられる。その惑星まで100年ぐらいかかるので、宇宙船の中で第1世代の若者たちが出発して、そこで子供をつくって、さらにその子供たちが孫を作って彼らが惑星に降り立つという壮大な計画です。
人類存亡をかけたすげえ計画なんだけど、すげえいいかげん。乗組員たちは人工授精で育てられた子供たち。この計画のために育てられたやつらです。そいつらの教育係がコリン・ファレル。なんか情がうつっちゃって、自分も一緒に行くことにします。
宇宙船の中で死ぬことになるんだけど、地球に未練はないし、子供たちを守ってあげたいんだということでコリン・ファレルがリーダーとなって宇宙船出発です。ですが出発してすぐに問題がおきる。
何十人も乗ってるんだけど、そんだけいたら一人や二人、ルールを守らないはみ出しものが出てくるわけ。主人公とその友達の男二人。主人公はデータベースにアクセスして機密情報を読む。
宇宙船には隠し部屋がある。食後に飲まされている青い液体は感情や性欲を抑制する薬だとか。それで薬飲むのをやめるわけ。そしたら主人公と友達はハイテンションになってはしゃぎまくる。薬で抑え込まれていた若さの衝動が一気に開放されてしまう。
コリン・ファレルになぜ隠し事するんですかと聞くけども、コリン・ファレルは、わたしも知らないことがあるんだととぼけます。子供たちにすべて包み隠さず話したいと思うと地球に通信送って許可をもとめるんだけど、その通信が地球に届くのは数カ月後。
もうそんだけ遠くに来てるわけ。なんでわざわざ地球に許可をもとめるのか。さっさと若者たちと対話してなんとかしないとやばい状態になってるのに、コリン・ファレルはのんきに何もしない。血気盛んなバカな若者たちが集まって、大人しくしているはずがない。
若者のバカと性欲の強さを見くびりすぎ。
それで友達のほうが、イキりまくる。北斗の拳のモヒカンみたいな性格になって、女の体にさわったり、おらついた言動をとるようになります。薬やめたからって、性格変わりすぎじゃねえか?いや、もともとこういうやつだったのかな。
いや、こんな性格に問題あるやつだったら、乗組員に選ばれてないと思うんだけど。それでコリン・ファレルが死んじゃう。船外作業中に不審死。エイリアンがいるんだとか変な不安がみんなの中に広がっていく。
その不安を利用してリーダーになってやりたい放題してやろうと動き出すモヒカン。それで争いがおこって殺し殺されの争いがおきるってわけ。「蝿の王」とかそのへんの閉鎖空間に集まった人間が不安から疑心暗鬼になって殺し合いまでするっていう話ですね。
主人公はルールを守ってみんなでやっていこうという理性派。モヒカンはやりたいようになる、おれがリーダーだ、おれについてくると飯は食い放題、エイリアンからも守ってやるぞと恐怖による支配をすすめる。
コリン・ファレルを殺したのはモヒカンだという決定的な監視カメラ映像をつきつけられても、コリン・ファレルにエイリアンがのりうつっていたから退治してやったんだとかいう謎理論でその場を切り抜けてしまう。
他のやつら知能低すぎないか?よくわからないのだけど、生まれたときから宇宙へ行くためにすごい訓練と教育を受けてきたやつらのはずなのに、まるっきり正気を失っている。あの青いお薬をやめた副作用なのかなあ?
青いお薬飲んでたときはみんな物静かで理性的な感じだったのに。
それでいろいろあって、主人公は追い詰められて殺される寸前までいくのだが、エアロック開放でモヒカンを宇宙に捨てるというエイリアンで見たようなやり方でモヒカン退治して大逆転。
モヒカンは死んだ、だからもう終わりだってなってなぜか争いは鎮圧。そこから彼らは理性を取り戻し、投票で決めたリーダーに従って順調に子供を作り、また孫ができ、そして80年ぐらい後に新惑星に到達。
いや、なんでモヒカンが死んだから争いが収まって、その後もうまくいくのかがよくわからない。モヒカンだけが頭おかしかったんだっていうことで片付けたのかな?ケンカしたとか言い争いしたとかのレベルならおさまって関係修復できそうだけど。
殺し合いになって実際、何人か死んでるし、せまい宇宙船の中でずっと顔あわせてて、ほとぼり冷ますこともできないし、どうなんだって思ったなあ。
はい、頭おかしいやつ死んだから、これで問題は解決でーすってならないでしょう。まあ、そのへんがなあ。ちょっといまいちでしたね。まあ、密室空間で揉め事がおきるエンタメサスペンスにそのへんのヒューマンなドラマの部分を求めるのは筋違いってことかな。