彼女は無実を主張。決定的な証拠や目撃証言などはありません。殺したのが誰か、事件の真相はどうなのかという部分を描きたい映画じゃないです。
娘が殺人犯として疑われて裁判になる父親と母親のとまどい。娘のことをなんにも知らないのではないかという親の焦り。殺人犯として疑われているというのに、他人事のような娘の無関心。そういう部分を描いている映画。
ミステリーとかサスペンスとか、最後に真相がわかってびっくらこいた!みたいなのを期待して見るとまったくおもしろくないです。
地味な映像なんだけど、音楽がやたらと大げさで、映像と音楽のバランスがとれてなかった。もっと静かな音楽のほうがよかったような。それか音楽なしでもよかったのになあ。
裁判の様子がリアルというか、フランスでしたっけ、フランスの裁判ってあんな感じなのかとおもしろかった。マイクのスイッチ押して喋るんだあって。
しかし、親が裁判で娘がフェラしてる動画とか証拠で見せられるとか辛いですね。父親はどうにか娘に無罪になってほしいと思って裁判をうまくやってほしいと思ってます。
娘があまりにも無関心に見えてなにを考えているのかわからなくて戸惑う。母親のほうはもっと戸惑いが強くて、もうなにがなんだかで混乱気味なので仕事が忙しいとかいう理由で裁判を見に行かなかったりします。
裁判官に裁判を欠席するのは親としての責任を放棄してる、娘さんを見放してるのかって叱責されたりします。まあ、そう言われても仕方ないですねみたいに思う母なんすけど、娘はずっと無関心なのに、お母さんを責めないで、お母さんはわたしを見捨ててないですと答弁したりします。
裁判中は外出禁止で足首に発信機みたいなのをつけてるんだけど、なのに殺された親友の家の前に行ったりとかする娘。
最後の答弁で情に訴えるようなことをうまく喋る娘。それが功を奏したのか陪審員は彼女の無罪を決定します。まあ、決的的な証拠や目撃証言がないので、疑わしきは罰せずということでしょうか。
凶器だと思われていた未発見のナイフが、弟が昔に道具箱の底に隠してたのが見つかって凶器ではなかったとわかったり。主人公が弟を使ってそういうふうに仕立てた?
すべては娘が考えていた無罪を勝ち取るための計画通りだったのか。無関心を装っていたのもお芝居だったのか。
わたしが犯人なら凶器は海か川に捨ててるとか言うのも、本音なのか芝居なのか。
そんな感じでけっこうあやしいんですが、決定的な証拠はない。最後の彼女が外された発信機のかわりにネックレスをまくという行為から、拘束から自由になれない、自らに枷をはめるということは、やってるなという推測が成り立つ。
まあ、なんだかはっきりとはしない話でしたけど、けっこう楽しめましたよ。子供のことがわからないと悩む親の気持ちがよくわかる。