予算なかったら、アクション抜きにしたサスペンス・スリラーとして作れそうな話なんだから、火星とかアクションとかなしにして作ったらいいようなもんなんだけど、こういうのが作りたいから作るって感じが伝わってくる。
だからなのか、安っぽい映像なんだけど、なんだか憎めないのがジョン・カーペンター映画ですかね。主演のナターシャ・ヘンストリッジは、「スピーシーズ」の人だ。なんかもうすごいモデル体型で場違い感がすごかったです。
火星で謎の火星人に乗っ取られて首狩族に変身してしまった住民が暴れてるところに、パリコレモデルがうろうろしてるみたいな違和感。まったく映画に馴染んでなかったです、ナターシャ。
あとなんですかね、ジェイソン・ステイサムが出演してました。今じゃ主演を張る主役俳優ですが、このときのジェイソン・ステイサムは小物感漂うチンピラ脇役ってかんじで、いい味出てますね。ナターシャ・ヘンストリッジをエロい目で見て、やたらと口説いてくるという役がはまってた。
アイス・キューブとかも出てたなあ。アイス・キューブは顔がいい。ギョロッとこちらを視るだけで、なにか企んでるように見えるし、演技力をこえた表情力がある人。もともとラッパーでしたっけ?
パム・グリアも最初にちょっと出てきてたのは友情出演でしょうか。ジョン・カーペンターの映画によく出てますよね。今回は付き合いでちょっとだけ顔見せたった感じかな。
お話は火星の街に列車で警察官が囚人をうけとって護送する任務にでかける。ナスターシャ・キンスキーやジェイソン・ステイサム、パム・グリアたちが警官。護送する囚人はアイス・キューブ。街についてみると人がいなくてゴーストタウンみたいになってる。
街を探索すると首を狩られた死体がいっぱい。どうしてこんなことが……。なんかね、火星にいた未知の生物が人間にとりついて、とりつかれたやつは、ウオエウウウウエエオオオ~って奇声を発して人間を殺し始めるらしいのです。
寄生されたやつらは、刀とか武器を製造しだして、顔にメーキャップとかして首狩族的ファッションに身を包み、普通の人間を襲い出した。それで町ごと全部が火星人に乗っ取られかけていたのだった。
それでナターシャ・ヘンストリッジたちはこの状況で生き延びれるのかどうかっていうのをアクションを交えて描いていく感じです。
その火星生物がどんなものなのかは描かれません。人間には見えない赤いモヤモヤみたいなものが人間に入っていってみたいな描写だったり、乗っ取られたやつからの視点映像で世界が赤く見えるみたいな描写だったりで、奇声生物がどんな姿をしてるのかは出てこない。
寄生もさあ、なんかよくわからないメカニズムなんすよねえ。主役のナスターシャ・キンスキーは寄生されかけるけど、ドラッグを飲んだら火星人が気持ち悪くなったのか、出ていって寄生されずにすんだりします。
どういうやつなんだ。火星生物は普段どういう感じで生きてる生物なんだろか。
まあそんな感じで危ないところをなんとか列車に乗って脱出するんだけど、ナターシャ・ヘンストリッジは、引き返すわよって言うのです。え?みたいな。せっかく仲間も数人生き延びて脱出できたっていうのに。
このままやられて尻尾巻いて帰れるかよ~、どっちが火星の支配者か、はっきり白黒つけちゃるけえのお~っていう理論で引き返して核を爆破して町ごと吹っ飛ばす計画を実行します。科学者に火星人は核爆はで死ぬかなって聞いたら、死ぬかどうかわかんないって言われるんだけど、なぜかこの計画をすることになっちゃう。
爆破しても乗っ取られた人間の肉体が死ぬだけで火星生物は無事の可能性あるのになんでこんなことすんのかって不思議なんすけど、とくに反対する人もおらず地獄に引き返していくのがなんか変でわらっちゃった。
そしたら案の定、全滅ですよ。いや、全滅じゃないけどね。ナターシャ・ヘンストリッジとアイス・キューブだけが生き残ります。ジェイソン・ステイサムは残念、ダメでした。
上司の前で全部を報告したナターシャ・ヘンストリッジはやれやれと病院で治療で寝てると緊急出動警報が鳴り響く。火星人が攻めてきた~って。やべえってあせってるところに、逃げたアイス・キューブがもどってきて、さあいっちょかまそうぜっていうラスト。
なんか少年漫画みたいな終わり方だ。いやー、なかなかいいんだけど、ナターシャ・ヘンストリッジにまったく似合ってない役だったなあ。マッチョぶる言動がなんかはまったないというか。ワイルドさをナターシャ・ヘンストリッジに感じないのが最後まで違和感だったですね。
まあ、好事家以外は見なくてもいい映画かな。