まあ、とにかく話がよくないですね。刑事と目撃者が護衛生活でいい仲になっちゃうっていうのは刑事もの映画でよくあるパターンで定番。迫りくる恐怖と恋のハラハラを同時に描ける。
この映画では刑事のトム・ベレンジャーと目撃者のミミ・ロジャースがくっついちゃう。トム・ベレンジャーには妻も子供もいます。別に妻と仲が悪いわけでもなく、小さな息子と疎遠というわけでもない。普通の家族。
なのにミミ・ロジャースの護衛について、なんとなくやっちゃう。そしてはまっちゃう。ミミ・ロジャースとのいちゃいちゃで頭の中がいっぱいで仕事がおろそかになって、犯人に好き放題やられて同僚が死にかけたり、妻と息子を人質にとられたりします。
色ボケデカ。緊張感ゼロ。これほんとにトム・ベレンジャーの演じる刑事が情けないやつなんすよ。めちゃくちゃかっこ悪くてまったく感情移入できません。何やってんだよ!ってほんとイライラする。
最後は息子と嫁ががんばったおかげて犯人をやっつけることができる。それでさ、トム・ベレンジャーはミミ・ロジャースといっしょにはなれない。彼女は去っていく。そしたらさ、嫁さんに、やりなおそう、愛してるんだとかいうわけ。
え~、なにそれ。ミミ・ロジャースはダメだったから、妻と元サヤになろうっていう魂胆にしか見えないんすよ。愛してるんだってよく真顔で言えるなあみたいな。
それを聞いた妻がまた呆れるんだけど、そうね、わたしも愛してるのって受け入れる。そしてめでたしめでたしって、そりゃないよ。今の時代ならふざけんなって奥さんがトム・ベレンジャーをぶん殴って去っていって、トム・ベレンジャーがぽつーんって一人ぼっちになるエンディングになりそうだ。
まあ、なんだかんだとぬるい映画でした。映像の質感はさすがのリドリー・スコットって感じでムードあってよかった。なんかブレードランナー風味があるシーンもあったし。ラブシーンでかかる楽曲がなんかブレードランナーっぽいなと思った。
でも話の展開がぬるすぎるし、犯人がいつ襲ってくるかもわからないスリルもあんまりなかったです。犯人役の人の顔は怖い顔だったけどね。