衣装やBGMはすんごい80’Sでそれっぽいですけどね。出てくるキャラクターが全部同じ。見た目は違うけど、中身はみんな一緒。演技も同じ。虚勢をはってマッチョを気取る。なめられまいとして、軽口をたたいて、おれはすごいと自画自賛で張り合う。
根拠のない自信で自分を鼓舞してるっていうかね。集団の中で一度なめられたら負け犬として過ごさなきゃいけないという恐怖感にとらわれて行動してるようにしか見えない。だから全然楽しくないのです。
似合わない口ひげはやしてるやつが多いのは、少しでも大人びて見られたいからだろう。好きでもない女をナンパしてベッドインするのも、ガンガン女にいかないなんて、男として終わってるだろうという周囲からの圧力でやってるだけに見えた。
なんか体育会系のノリというか、ホモソーシャル的なノリというかが苦手なので、見てておもしろいって思わないし、懐かしいなともならなかったなあ。
何がやりたいんだろう。リチャード・リンクレイター監督が映画を使って若かった大学生時代、80年代を懐かしみたかったのかな。
話は別になんもないんです。パーティー行ったり、おふざけしたりする3日間。なにか事件が起こるわけではない。女の子と知り合ってベッドインして、新学期始まったなあって、それで終わり。核となる物語を用意してほしかったですね。
なんかこれは思い出のなかの80’Sって感じしましたね。おじさんが学生時代を懐かしむときに、若いってよかったよなあって過剰に思い出補正して、楽しくて明るい時代だったと思い出すみたいな。
実際は暗いこともあった時代だったはずだけど、明るく楽しいことしかなかったように思い出補正する。それがこの映画。暗い部分は全然描かれてなかった。
なんかほんとぼんやりした映画で、お年寄りの昔話みたいで退屈だったですね。