モーガン・フリーマンはモーガン・フリーマン役。本人と同じ、有名な俳優という役です。誰もが顔と名前を知ってて、代表作も何本もあってヒット映画にも出てるベテラン俳優という役どころです。しばらく映画に出てなかったけど、久しぶりに低予算の映画でスーパーマーケットの店長の役をやろうかどうかと思ってる。
そのリサーチとして、あるスーパーマーケットを見学します。そこでレジ打ちをしてるのが、パス・ベガ。あのスーパーってスペイン系のスーパーマーケットなのかな。大きなチェーン店じゃなくて、こじんまりとしたやる気のない、ゆるい地元民だけが使うスーパーみたいです。
店長が不在なので、勝手に見学してリサーチを始めるモーガン・フリーマン。店員の動きを観察して真似てみたりします。耳の不自由なおじいちゃんの店員とかいて、これは役を演じるいい見本になるぞって感じで夢中で観察します。
やる気のないゆるい店員ばかりのお店のなかで、暗算で華麗にレジを打ち、お客たちをビシバシとさばいていくパス・ベガに目が留まる。できる店員だって感じで、モーガン・フリーマンは興味津々。あれこれ話していろいろ聞き出す。
そんでモーガン・フリーマンは帰ろうかと思うんだけど、迎えの車が約束の時間になっても来ない。家の電話も新しくしたばっかりで覚えてなくて連絡できなくて、他に頼れる人間もいなくて、パス・ベガに車で送ってくれないかと頼み込む。
パス・ベガは用事があるから無理と断るんだけど、人懐っこい笑顔でグイグイ懐に入り込んでくるモーガン・フリーマンにノーと言えなくてなしくずし的にOK。彼女の用事をこなしながらモーガン・フリーマンのお家を目指すドライブが始まるって感じです。
映画のほとんどが、モーガン・フリーマンとパス・ベガのやり取り。パス・ベガは若くて人生にいろいろ問題を抱えていて悩んでいる。モーガン・フリーマンは年寄りで、人生に成功して今は晩年の境地。
新作も出演するかどうか決めかねてる。
まったく正反対の人生のステージにいる二人が一緒にすごすことで打ち解けていって、二人はまた人生への情熱を取り戻していくみたいな感じかな。
モーガン・フリーマンが天使のように見えましたね。困ってるパス・ベガを励ますために舞い降りた天使。
あっぷあっぷでわたしなんかもうダメだと余裕のないパス・ベガを大丈夫だ、君はできる、素晴らしいと励まして勇気を与えていく。
君と僕は似ている、おかしいじゃないか、君は25歳なのに老人のわたしと似てるなんて。そんなに人生に絶望しなくてもいい、君の人生はこれからじゃないかっていいこと言うんだ。わたしの映画キャリアが始まったのは30歳からだと。そんなに焦って悲観する必要はないと。
状況が悪いと、人はもうダメだ、すべて終わり、これからずっとうまくいきっこないと短絡的に思ってしまう。でもそんなことはないよっていう、元気をくれる作りになってたので見てよかったです。
やっぱり悲惨な暗い映画より、こういう前向きな映画のほうがいいですよ。なんだか心がぽかぽかするし。
出演者はほかに、運転手でジョナ・ヒルがでてきた。それと最後のほうでプリウス運転してるのがダニー・デヴィートだった。まあ、ダニー・デヴィートといってももう今の人は誰?って感じなんだろうか。
アーノルド・シュワルツェネッガーと「ツインズ」で共演してたのが遠い昔で懐かしいですね。
あと、なんだろ、変だなと思っておかしかったのが、パス・ベガが秘書の面接に行くのに選んだ服がセクシーすぎるとこかな。キャッツアイの瞳みたいな胸元が激しい服を買うんすよ。秘書の面接にあのセクシーはどうなのかと思ったけど、アメリカじゃあ服装は自由なのかな。
青が似合うよ!ってモーガン・フリーマンが言ってたけど、建設会社の秘書の仕事の面接ならスーツとか買ってあげたらよかったんじゃないかと思ったりして。