スーザン・サランドンとサム・ニール夫妻はけっこう裕福ですね。海辺のでっかいモダンな家建てて住んでる。スーザン・サランドンは病気。だんだん体の自由がきかなくなって、最後は呼吸することもできなくなって、延命するには呼吸も栄養補給もチューブをつないで供給するしかなくなる。
そんな死に方はしたくないということで、スーザン・サランドンは安楽死をすることにします。睡眠薬を致死量飲んで死ぬ。その前日に家族を呼んでお別れの1日を過ごそうということになる。それで家族たちが家に集まってくるってわけ。
娘のケイト・ウィンスレットは夫と息子とやってきます。次女のミア・ワシコウスカは家族のハグレモノって感じで、何してるかよくわからなくて、女性のパートーナーと一緒にやってくる。
ママに心配かけないでよと優等生を演じる長女と、そんな母親と姉に我慢できなくてひねくれた妹って感じです。あと、スーザン・サランドンの親友で昔からサム・ニールとも仲良しの女ともだちもやってくる。
それで安楽死なんてどうなのか、納得できるようなできないようなモヤモヤした気持ちの娘たち。でもスーザン・サランドンの決意はかたく、サム・ニールともよく話し合った結果だから仕方ないのかなあみたいな。
正しいのか正しくないのか誰にもわからないなか、刻一刻と最期のときが迫ってくる。ドラマとしてはケイト・ウィンスレットとミア・ワシコウスカの母親との関係性のドラマがあるけど、そんなにつっこんだドラマではないです。
ミア・ワシコウスカは母親からの愛情に飢えてる感じです。ありのままの自分を受け入れてほしいのに、受け入れてくれない母や姉に不満を感じてる。
母親は自由に育って欲しいと思って育てたと思ってるけど、娘側からすると、それはただの無責任。ほったらかされたと思ってる。すれ違う母娘の気持ち。
それが最期のときを前にどんな和解をするのかと思って見てたけど、とくにこれといって盛り上がりはないです。
ケイト・ウィンスレットは優等生で母に服従していい子ちゃんをやってる感じなんだけど、父親のサム・ニールと友達の女が抱き合ってキスしてるのを見ちゃって、これはおかしいと思う。
家族の写真アルバムをひっぱりだしてチェックすると、あの旅行、あのイベント、どれを見ても家族といっしょにその親友の女がいつもいる。これはおかしいぞってなって、彼女は父親の愛人じゃないかって疑う。
それで愛人なのかどうか問いただすんだけど、スーザン・サランドン公認でそういうことになってたらしいです。病気がわかったときに、二人につきあってと頼んだとか。愛だからとかなんとか言ってて、ケイト・ウィンスレットは納得してたけど、見てるこっちはまったく納得できなかった。
いやー、ちょっとどうかと思ったけどね。自分が死んだら夫がひとりになるから、親友に相手を頼むってどうなんかな。それで納得してる夫と親友もどうかなあ。
安楽死の方法もちょっと大丈夫なのかなって思った。サム・ニールは医者らしいんだけど、ネットかなんかで買った睡眠薬を使うんですよ。スーザン・サランドンが飲んで眠りについたあとに、サム・ニールは散歩にでかける。
そして帰宅したらスーザン・サランドンが死んでる。それで警察に通報して妻が自殺したと話すということにするらしいのだが、これ大丈夫かな。アメリカは安楽死が合法じゃなかったんだっけ?自殺幇助を疑われて罪に問われたりしそうだけど。
しかもさ、夫婦二人だけの秘密でそうするんじゃなくて、大っぴらに計画をみんなに話してる。あとあと問題おきそうだなとか思っちゃったんすけど。
安楽死をテーマとして扱った映画として見てもいまいち。家族ドラマの映画としてもいまいち。キャストはいいのになんかもったいなかったですね。