小泉今日子が飲み過ぎで急性アルコール中毒で病院行ったら、真田広之に吐いたものに血がまじってるから検査しましょうと強引に検査入院をすすめられる。それで胃カメラしてみたら末期の胃がん。
小泉今日子に告知せずに、胃潰瘍の薬と言って抗がん剤の点滴をしちゃう真田広之。今、こんなことやったら大問題じゃないか?患者に診察結果を胃潰瘍と嘘ついて、副作用の大きい抗がん剤をだまって処方するとかやばすぎる。
真田広之は病院長の長男で、医院の経営を第一に考えてる。不要な検査や手術や投薬も病院の利益のためにどんどんやるっていうタイプです。弟が三上博史。こっちは患者のことを第一に考えて、末期がんの患者をケアするホスピス病棟を新しく病院の敷地に作った。
そのホスピスに小泉今日子が入ることになってそこの患者たちのドタバタ、三上博史とロマンス、命尽きるまでどう生きるかみたいなことが描かれていきます。
映画の冒頭がラストシーンという構造になってます。いきなり小泉今日子がクリスマスにホスピスで真田広之や三上博史らが見守るなかで安らかに亡くなるというシーンがある。そこから時間をさかのぼって、彼女が入院してなくなるまで何があったのかというのを描きます。
医者が患者のことそっちのけで利益追求する姿と、患者をケアするホスピスは儲からないという面と、末期で死に直面してどう生きるのかというのは人それぞれで正解はないというシリアスな問題がコメディ調で描かれます。
真田広之は利益追求型医者で、心停止してそのまま死なせてあげたほうが患者のためだと思われる場合でも挿管して呼吸を確保して心臓マッサージで蘇生させようとする。最後までやれることは全部やるのが医者のつとめだという感じ。
一方の三上博史は、もう寿命なら痛みをとってあげて楽に見送ってあげるのが、医者ってもんじゃないのかと思ってる。だから儲からないとわかっているホスピス病棟を作った。手探り状態です。何が末期患者にとって幸福なのかは人それぞれだしね。
小泉今日子は当初なんでわたしが末期がんなのかと落ち込み、抗がん剤治療の辛さもあって抜け殻のようになっていたが、ホスピスに入ってからは徐々に元気を取り戻す。三上博史とちょっといい感じになって外出して自宅での片付けにつきあってもらった流れでベッド・イン。
三上博史は今はダメだよ、コンドームもないしって一度は拒むんだけど、避妊して意味ある?と小泉今日子に言われて、あ、そうかと応じる。そういう問題かあ?とか思ったけどね。昔のこの時代の邦画って性描写が露骨というかエグいですね。
やりとりがなんか生々しい。一夜明けて三上博史が目覚めると小泉今日子は消えていた。そっからしばらく行方不明です。どっか旅行に行ったのか、知り合いのところにいるのかと探すんだけど見つからない。
そしたらテレビに小泉今日子が映し出される。生命保険会社のCMで小泉今日子が出てきたんすよ。そっからフィーバー。あのCMに出てるかわいい子は誰だと話題騒然で小泉今日子は一躍スターになっちゃいます。
若くして末期がんになって、ホスピスでの緩和ケアの必要性を感じて、こうしてCMにでることを決めたという小泉今日子。またホスピスに戻ってくるんだけど、三上博史とは少し距離をとる感じで彼女の真意がよくわからなくて戸惑う三上。
まあ、それでホスピスに入っていた他の患者もどんどん臨終を迎えていき、ついに小泉今日子もという段階になるってわけ。他の患者たちもいろいろなんすよ。宗教にはまってる人。民間療法にはまってる人。仕事仕事の人。
民間療法でさ、飲尿療法に手をだして嫁の尿をかんてんかなんかでかためたゼリーを猛然と食ってたのが、グロくてえぐかったなあ。あれはなんなんだろう。愛情なのか、嫌がらせなのかどっちかわからない奥さんの笑みが怖い。
なかなかおもしろかったけど、1作目のほうが好きだったなあ。コメディとしても1作目のほうが現実味の上にあるギャグをやってるって感じでリアルな面白さがあったように思います。2作目はどこかマンガっぽさがあるギャグだった。
ホスピス病棟の屋根を大工が作ってるシーンで大工が転落するんだけど、ほんとだったら大怪我するか死ぬかぐらいの勢いなんだけど、マンガみたいに、あはは、ドジしてるやぐらいの作り方してる。現実味がないギャグ。
一方、病院で挿管するシーンは妙にリアルで痛々しかったりする。そのトーンの違いがちぐはぐな感じしましたね。1作目は骨折だったから、それほどシリアスにならずにすんだけど、今回は末期でがっつり死を描くから、なんか違和感を感じるのかも。
お涙頂戴ドラマにせずに、あくまでもコメディとしてやろうとしてるから、ちょっと違和感を感じてしまうのかなあ。いくらコメディタッチにしたところで、死はあんまり笑えるもんでもないから。