吸血鬼ホラーものとしてのクオリティが低すぎる。ほんと形だけなんだよなあ。いや、わざとなのかな?B級感をわざとだしてるのか。1930年代が舞台なんだけど、リアリティはあまり感じない映像。なんか俳優が1930年代のバーチャルランドでコスプレして演技してますみたいなバーチャル感が強い。
冒頭から退屈なんすよ。少年がボロボロでぶっこわれたギターのネックをもって教会に帰ってくる。神父が父親なのかな、少年は抱きしめられながら、昨晩におきたことであろう、惨劇の数々をフラッシュバックで思い出し放心状態。
そういう始まり映像で、どうしてこうなったのか、何があったのかを時間をさかのぼって描いていく形式です。これがだるい。見ててだるいムードが続いてけっこう退屈です。
マイケル・B・ジョーダン演じる双子のギャングがシカゴから故郷のミシシッピに帰ってくる。音楽と酒を提供するダンスホールを作って営業する計画です。
その準備風景の映像がけっこう長く続きます。なんかの製造所かなんかを買って、ミュージシャンを雇ったりして、中国人かな?の雑貨屋に看板やなんやらを発注してみたいな。これがなあ、ちょっとだるすぎる。冒頭の映像で、なんかひどいこと、怖いことがおきるんだなっていうのがすでにわかってみているので、いつまでちんたらしてんだって感じです。
いや、わかるんだけどね。あとで、あの退屈でなんでもないいつもの日常が今となっては人生最高の数時間だったとしんみりと振り返るための退屈描写だってのは。
やりたいことはわかるんだけど、それがうまくできてるのか、おもしろいと思うのかっていうと、うーん、なんかだるいだけだなあって。
これ、吸血鬼側の映像も交互にやってくれたら退屈しなかったのになあ。けっこう時間たってから吸血鬼のパートが始まる。インディアンですかね?に追われてる吸血鬼が家に逃げ込んでそこの夫婦を噛んで吸血鬼にする。
インディアンに追われてるくだりをもっとしっかりやってもよかったのでは?のんきにバーの開店準備する主人公たちのほのぼのムードと、狩られるスリルのなか逃げて生き残ろうとする吸血鬼の緊張感。
これを並べたら退屈することなく前半を見れたと思う。侵略しようと迫ってきてる吸血鬼。それを知らずにのんきしてる主人公たち。この対比があれば退屈しなかったのに。
まあ、それでダンスホールは営業開始。少年のブルースに酔いしれるオーディエンス。時空をこえて世界中の民族音楽や現代の音楽のイメージが入り乱れてみんな音楽と酒を楽しんでるところに、吸血鬼がたずねてくる。おれたちもミュージシャンなんだ、中にいれてくれよ~って。吸血鬼は招かれないと中に入れないというルールがある。
だせえ音楽やってる白人はおことわりだって入れないんだけど、主人公の仲間の女の人が噛まれてヴァンパイアになってダンスホールに入る。マイケル・B・ジョーダン弟とHして噛みついて騒ぎになる。ここでマイケル・B・ジョーダンは吸血鬼になったジョーダン弟と人間のジョーダン兄にわかれる。
マイケル・B・ジョーダンが双子という設定はただのお遊びじゃなくて、意味があるのはわかります。黒人にもいろいろいるっていうのを見せるためなんだろね。
最後までプライドをもって命がけで侵略者と戦うものもいれば、侵略者に迎合して彼らの世界に適応して生きていくものもいる。そういうのを見せるための双子設定。
そんでどんどん吸血鬼はかみついて仲間をふやして主人公たちに迫ってくる。おまえたちも一緒になろうぜ、こっちはいいぜ~って。おれたちは家族だろって。みんなで一緒に楽しい世界つくろうぜって。
これは白人が黒人の音楽や文化を自分たち側にとりこんでいく、文化的侵略をこういう吸血鬼がかみついて仲間を増やしていくという形で見せてるわけっすね。
なんとか夜明けで太陽がのぼって吸血鬼は全滅。マイケル・B・ジョーダン兄と少年だけが生き残る。おれはまだやることがあるからおまえだけ帰れって少年が家に帰る。ここで冒頭の映像につながるわけっすね。
そのころマイケル・B・ジョーダンがなにしてたかっていうと、ダンスホールをぶっ壊そうとやってきたKKKとバトル。ダンスホールにと買った製造所かなんかは、KKKが虐殺とかに使ってた場所だった。戦いで命を落としたマイケル・B・ジョーダン。最後まで侵略者に抵抗した彼の魂は死んだ娘のもとへ。
自分の奏でるブルースの音色が吸血鬼を呼び寄せたということで、もう音楽は捨てるのかと思われた少年ですけども、彼は音楽をやめなかった。
ときが流れて老人となった少年がステージでブルースを演奏。そこに二人の人間がたずねてくる。なんとマイケル・B・ジョーダン弟と彼にかみついた女の人が昔とかわらぬ姿であらわれた。
兄は弟にとどめをさせなかった。女の人はひとりだけ逃げ出してたから生き残った。どうだ、もうそろそろおれたちの仲間にならないか。そしたら永遠にブルースやってツアーまわれるぜ、もう寿命が近いって少年にいうんだけど、少年は吸血鬼の仲間になることをのぞまない。
魂を売りわたせば、富と永遠が約束されるというけども、尊厳を失ってなんの意味があるのかっていうことだろね。
そうか~って、じゃあまたってマイケル・B・ジョーダン弟は去っていくんだけど、去り際にあの日の開店準備してる時間が自由を感じた人生最高の瞬間だった、あんたは?という少年のといかけに、おれもそうだとこたえるジョーダン弟。
おしまい。だったかな。あんまり覚えてないや。なんかなあ、わかるんだよ、やりたいことは。あ、そういうことをやりたいんだなっていうのは。
でもそれがうまくいっているとは感じない。その瞬間瞬間の映像だったり俳優のセリフだったりがみょうに軽い、ペラペラ感が強くて、印象に残らないんすよねえ。
最後のジョーダン弟がヒップホップで成功した黒人ラッパーみたいなファッションしてたのも、ラップやHIPHOPも白人にとりこまれてるっていう皮肉なんだろうけど、なるほどねとは思うけど、そんなこと考えなくてもおもしれえなというところまではいかない。
うーん、なんかいまいちでした。音楽もとくにいいとは思わなかったし。ぜんぜんテンションあがらない音楽だった。これ見た後に、考察動画とか解説動画とか作ってこれはああなんですよ、あれはこういう背景があるんですよって語りたい人向け映画だったなと。頭でっかち映画。
小難しいこと語りたい人にはうってつけなんだろう。あれこれ裏を読まずに見れば、前半退屈で後半ドタバタして終わったなんかよくわからないB級映画だなって感じ。