今でも寝台列車って走ってるんでしたっけ?列車に寝るスペースがあったり、食堂車があったり。今はもうそんなのないのかな。特急列車や新幹線や電車にのって長距離移動する機会がまったくないので、今の列車事情がまったくわからない。
主人公は中村嘉葎雄。車掌になって数年の新米だけど、もう仕事をやめたいと思っている。こんな大変なだけで稼げない仕事なんてやってられるかいってな感じ。フィアンセの佐久間良子との仲もはっきりしない。
悩める新人社会人ってな感じですね。上司は三國連太郎です。チーフ車掌でかっこいいんだ。というかほんとに車掌で働いてる人に見えちゃうのが三國連太郎のすごいところですね。労働者の役をやって、まったく違和感がないのがすごい。
演技力がすごいというのか、存在感がすごいのかよくわからないけど、三國連太郎は役を演じてる感じがしないんだよなあ。若い時の三國連太郎はとくにそう感じます。
佐久間良子がわたしとのことどうするの、仕事やめるとか言わないでとおしかけてきて、勢いで列車に乗り込んできます。他にも乗客にはいろいろいます。政治家と秘書。新婚カップル。わけあり風のカップル。正体不明のあやしい男。危篤の母親にあうために急ぐ少女。自殺をはかるおじさんとか。
列車が走るごとにいろいろなドラマが展開していくみたいな感じです。途中の駅でもいろいろ乗り込んできます。血清を運ぶ看護師さんとかね。長崎を目前に台風で土砂崩れが発生して列車が立ち往生。レールをふさぐ瓦礫を懸命にとりのぞく車掌たちにほだされて、乗客の一部も手伝うのがクライマックスかな。
佐久間良子や食堂車の中原ひとみなんかも土砂降りの中、泥だらけになって作業を手伝う。そして列車は30分遅れで再出発。たった30分程度の遅れで復旧させるのがすごいです。
列車を定時に運行させるために、懸命に働く国鉄マン。中村嘉葎雄はこの仕事も悪くないなって思う。佐久間良子の健気な姿にも感動して、結婚に踏み切るってなわけ。極限状態で共同作業をして困難をのりこえた二人は結ばれる法則発動。
東京から長崎までの中にいろいろな人生模様を盛り込んでなかなか楽しく見れる列車映画でした。なんか夜行列車ってわくわくしますよね。