やっぱりさ、こういうすかしたギャグみたいなノリは深夜テレビでやるのがちょうどいいですよ。映画でやっちゃうとなんか違う。とぼけたノリ、ふざけたやりとりは、真夜中に頭が半分寝てるようなときに30分とか1時間とかぼんやり見てるからおもしろいと思えるのでは。
それを2時間の映画でやると、どうにも場違い感がしちゃうなあ。いやー、自分は三木聡の作風は、それほど嫌いでもないし、好きでもないので一応楽しめたけどね。
テレビドラマで、「ケイゾク」とか「トリック」とか「時効警察」とか、そのへんが大丈夫な人だったら楽しめると思う。
大怪獣のあとしまつっていう題名のとおり、怪獣の死体処理をどうするかを描く話でした。怪獣の死体の周辺の人間模様を描くので、怪獣が暴れるところとか、怪獣が死ぬところとか、バトルアクション的なシーンはありません。
怪獣がどうして死んだのかよくわかってないという設定です。怪獣が現れて、人類の攻撃がまったく効果なく困ってたとき、謎の光が怪獣を包み込んだら怪獣が死んでいた。光の正体も怪獣の生態もよくわからないという設定。
日本政府の首相や大臣たちの会議のシーンと、現場で動く特務隊とか軍隊の人とかのシーンで構成されています。
山田涼介が主人公かな。彼はウルトラマン。いや、ウルトラマンとは言ってないし、詳しい事情は一切語られないのでどういう設定なのかはわかりませんけど。怪獣が光に包まれたときにそこに居合わせて失踪してしまう。
それから怪獣が死んで死体処理の問題がおきたころに戻ってきて現場に復帰する。土屋太鳳が恋人だったんすよねえ。でも失踪していたあいだに、土屋太鳳は濱田岳と結婚しちゃってんの。土屋太鳳はまだ山田涼介のことが好きなんすよ。
濱田岳はそのことに気が付いているので、山田涼介と土屋太鳳がうまくいかないように、怪獣死体処理作戦にいろいろ妨害工作をいれて自分の思うようにやろうとする。濱田岳は西田敏行首相付きの役職で、土屋太鳳は環境相付きだったっけ。
まあ、それで、怪獣の死体処理をめぐって三角関係と日本政府のドタバタと作戦が描かれていくっていう感じです。この構成というか、怪獣はでてくるけど怪獣との闘いを描くわけでもなく、怪獣を倒したヒーローを描かないという構造はけっこういいと思ったね。
周辺の人間の事情のドラマを描く。それはいいけど、やっぱりギャグのノリが許容できるかどうかですかねえ。
なんか面白いのが山田涼介が怪獣の死体処理を先頭立ってやるはめになってるとこ。彼はウルトラマンと融合かなんかして怪獣を倒したんだろう?それで人間になって戻ってきたんだけど、怪獣の死体の後始末までは考えてなかった。
え?倒したらそれでおしまいじゃなかったのって。死体の処理まで俺がやんの?みたいな。
怪獣の死体の腐敗がすすみ、このままでは腐敗ガスが爆発して謎の菌類を周囲にまきちらして汚染して大変なことになる。自分が倒した怪獣の死体で人類が大変なことになっちゃう。
倒して終わりと思ったら、後始末までやらされることになったってなんか笑えます。誰もかれがウルトラマンとは思ってないのに、結果的に貧乏くじが山田涼介のところにまわってきてるのが笑える。
いや、濱田岳と土屋太鳳は現場に居合わせたから、なんとなくそうではないかと思ってるみたいだけど。
最後に人間のままでは限界ということで、変身する。最初からウルトラマンになって宇宙でもなんでも怪獣の死体を運べばいいじゃんって思った。
まあ、なんか事情があるんでしょうね。自由に何度も変身できるような便利なもんじゃないとかなんとか。
まあなあ、なんだかんだと言いながら普通に見れたけど、深夜のノリというか、やっぱり寝ぼけて見るぐらいがちょうどいいノリというかでしたね。真剣に真昼間に元気いっぱいで集中して見るようなもんではない。