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『リップヴァンウィンクルの花嫁』【映画のあらすじとネタバレ感想】


レディコミの読みすぎ。どうしたんだ、岩井俊二さん。レディースコミック読みすぎてハマっちゃったときに作ったのかな。前半の黒木華がうまくいかなくて転落していく様子がもろにレディコミ展開。意志が弱く、流されるままに生きている主人公が他人からいいようにやられて転落していく。

レディコミでよく見るなあみたいなそのまんまレディースコミック的展開でびっくりです。出会い系アプリで出会った男はマザコンとかさ。結婚するのに、両親が離婚してるのを隠して、披露宴に呼ぶ親族がいないからバイト雇うとかさ。

主人公の黒木華は意志薄弱でぼんやりしてる人なのに、みょうに大胆な嘘を平気でつく。よくわからない人です。最初から最後までよくわからない人という印象が消えなかった。どういうキャラクターとして監督は撮ってるんだろう。

無知な人として撮ってるのか、純粋な人として撮ってるのか、だまされやすいお人好しとして撮ってるのか、どういうつもりで彼女を見せようとしているのかがいまいちよくわかりません。

親が離婚してるのを隠したり、バイト雇って披露宴に親族役をやらせたりするのも、黒木華が見栄っ張りでそういうのを隠したい性格の人ならわかるんだけど、そういう人として描かれてない。

虚栄心が強いわけでもないし、欲が強いわけでもない。こんな大胆なことできるような人ではない感じなんだけどなあ。まあ、なんか無頓着というか、無自覚というか、自分の人生に無責任というか、流されていくままにって感じの人なのかな。

便利屋の綾野剛にいいように利用されてるけど、まったくそれに気がつかない黒木華。チョコレートのシーンで黒木華が簡単に詐欺師に取り込まれやすい性格の人っていうのが描かれていたから、騙されやすいお人好しというキャラのつもりでやってるのかなあ。

夫が浮気してると思わされて綾野剛に調査を頼んだら、逆に黒木華が浮気してる状況証拠を作られて夫の母親から三行半突きつけられて離婚することに。このあたりの描写もなんかめちゃくちゃというかレディコミというかマンガ的というか。

いきなりあんたの旦那が俺の彼女と浮気してるんだという知らない男がやってきて、すぐに家にあげて話を聞いたり、ホテルの部屋にほいほい行ったり、いやー、あまりにもあまりにもな呑気さというか、軽率さというか。

なんかよくわからない人だ。綾野剛もあきれてるんじゃないのか。なんでこの人こんなにわかりやすく騙されてくれるのかって。前半がレディコミ風で、レディースコミック展開が続くのなら後半は黒木華の逆襲が始まるわけだけど、始まりません。

後半は少女漫画的展開。ファンタジーというか、女同士の奇妙な友情というか。幻想的な展開というか。coccoがちょっとあやうい精神の人を演じててはまり役といえばそうなんだけど、そのまんまかみたいな。

本人のイメージを映画内に取り込んで現実と虚実の入り混じったムードを醸し出そうとしているのはわかります。結婚式の司会役が本当のアナウンサーの人がやっていたり、お葬式のシーンで本物のAV女優の人が出ていたり。

妙な話だけど、変に現実のような雰囲気もするし、というような奇妙な味わいはありますね。最後にりりぃさんと裸になって飲むというシーンも妙なんだけどなぜか現実っぽいおかしみがあったなあ。

突拍子もないことなんだけど、そういうこともあるのかなみたいな。前半レディコミ、後半少女漫画。奇妙な映画だったなあ。

しかし長い。長すぎる。1時間半と1時間半で3時間。いやさあ、長くてもいいけど、長い意味というか、長さにそれなりの理由というか、そういうのは感じられません。前半と後半あわせて1時間半でいいんじゃないのかみたいな。

黒木華さんのファンなら退屈しないだろうけどなあ。この映画のテーマは、世界は優しいということだろうね。coccoさんが世界が優しくて辛いって言ってたけど、そうなんですよ、この映画で描かれる世界は優しい。

黒木華はひどい目にあうけど、結局、普通の生活から普通の生活に戻っていく。彼女は最初と最後でとくに変わってない。強くなったわけでもなく、賢くなったわけでもなく、いつものように自分の人生に無自覚に流されるままに生きていく。

それでも問題ない、それでいい、そんな彼女を許容してくれるぐらいには世界は優しいよっていうね。世界は美しい、悲観するほどひどくはないっていうのがテーマだったんじゃないかな。


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