ケヴィン・ベーコンは内勤の海兵隊員。イラクでの戦死者リストのなかに同郷の青年を見つけて遺体を遺族のもとに送り届ける護衛任務を志願する。チャンス一等兵の遺体は飛行機を乗り継ぎ故郷に送り届けられる。その過程を描いていきます。
飛行機を乗り継ぎ、葬儀社の車にのせられて葬式の会場に運ばれて故郷のお墓に埋められるまで。ただそれだけを追っていくんだけど、目が離せない。戦死者がこういう形で遺族のもとに帰っていくんだって。
普段目にしないことなので、興味深かった。軍の人間が任務として遺体を護衛して送り届けるんだなあ。
行く先々でかかわった人たちが、自然と戦死者に敬意をもって哀悼の意をあらわすのが描かれてて、それが見てて辛くて涙出てきちゃうんだ。
一番、ううってきて泣いちゃったのは、葬儀社の車にのせられて走ってるときに、周囲のトラックや車がヘッドライトをつけて哀悼の意をあらわし、その場のみんなで護送するように走っていくシーン。
死を悼む気持ち、戦死者をみおくる温かい気持ちがそこにある。でも、戦死者がいなければもっといい、幸せだと思うと、何倍も悲しみが増幅されて涙が出てくる。
ケヴィン・ベーコンはチャンスと知り合いでもないのになんでこの任務に志願したかというと、彼の中で後ろめたさや葛藤があったから。
戦場から帰ってきてから、家族と一緒にいることをのぞんで、内勤を希望して再び戦場へ行くことを避けた。自分がなすべき責任を放棄したのではという後悔と迷い。
いてもたってもいられず戦死者のためになにかしなきゃという思いに突き動かされて今回の任務に志願したようです。ケヴィン・ベーコンはけっこう階級が上で、そういう上の人間がこういう任務につくことは珍しいみたいに描かれてたかな。
またこれも悲しみが深いんですよねえ。家族と一緒にいることを選ぶという、当たり前のように思えることが、兵士としては罪のように感じてしまう。
当たり前のことを当たり前じゃなくしてしまう戦争。悲惨なことは誰しもわかってるんだけど、なぜかなくならない。