名前は知らなくても、ファッション誌の表紙やブランド広告の写真で目にしてたかもしれない。かっこいいけど、なんか危ない感じがする写真だなって。
パワフルでショッキング。そしてなんだか美しい。そういう写真を撮ってたカメラマン、ヘルムート・ニュートンのことを描くドキュメンタリー映画。
彼の被写体となったモデルの女性たちが撮影当時を語る。シャーロット・ランプリング、イザベラ・ロッセリーニ、グレイス・ジョーンズ、クローディア・シファーとかが語ってました。
みんなおばあちゃんになってて、時の流れを感じた。
石田えりさんは出てなかったな。罪の撮影のときのことを聞いてみたいですね。どんな撮影だったんだろう。
撮影風景は出てくるんだけど、モデルに細かくポーズや表情を指示してて、けっこうたいへんそうでした。モデルに自由にやらせるんではなく、ヘルムート・ニュートンのイメージに近づけるようにモデルに要求するみたいな感じ。
そうしてできあがった写真は、物語を感じさせる写真っていうかね。ものすごいパワフルな写真なんすよねえ。まあ、物議を醸して話題になったりもよくしてたみたいです。女性を商品としてみてるとか、下にみてるとか、魂がないとか批判されることも多かったみたい。
そりゃグレイス・ジョーンズだっけを裸にして足に鎖まきつけて撮ったりしたら、物議を醸すだろって。奴隷を連想させるから。
批判はわかるんだけど、写真からは被写体である女性たちの強さが感じられてネガティブな気持ちにはならない。
嫌な写真だなとは思わないのが、ヘルムート・ニュートンの写真のすごいところかな。まあ、嫌に感じる人もいるだろうけど。
ヘルムート・ニュートンはナチスが台頭してる時代に子供時代を過ごしたらしくて、そのときの影響が写真作りにもでてるようです。
ナチスが人々の心をとらえて扇動した時代。パワフルでポジティブな表現であふれていた。その洗礼を受けて育ったことが、ヘルムート・ニュートンの写真づくりのもとになっているのか。
ドイツ出身でロスに住んでファッション写真で大物になったヘルムート・ニュートンの最後は交通事故で亡くなる。
今も生きてたらどんな写真を撮ってたかな。パワフルで美しくて危険な写真を撮ってたかな。まあ、今そういうのがあまりうけいれられない時代なので無理かも。
アナ・ウィンターが語ってたけど、ファッションが強烈で毒のあるパワフルなものが流行していた時代だからこそ、ヘルムート・ニュートンがでてきて活躍できたということもあるんだろうね。
時代の徒花ってやつか。