フォレスト・ウィテカーは凄腕の殺し屋。愛読書は「葉隠」。心は武士です。忠義に生き、忠義に死ぬ覚悟ができている男。マフィアのおっさんに命を救われたことがあって、その恩に報いるために殺し屋になった。
連絡は伝書鳩で。
マフィアのおっさんもなんか落ちぶれたマフィアでいまいちなマフィアなのが笑える。たまり場の家賃滞納してて、誰も払いたくないのか、目を合わせないとか、なんだこいつらって笑える。庶民的なマフィアですね。
そんでいつものように殺しの依頼があり、指示通りに男を殺したフォレスト・ウィテカー。なんかマフィアのボスの娘と逃げてた男を始末する仕事だったみたいで、サイレンサーつきの銃でプシュプシュと簡単に片付ける。
そのとき部屋にいたマフィアの娘から、この本おもしろいよ貸したげるってわたされたのが、芥川龍之介のRASHOMON。短編集かな。
そしたらマフィアのほうでなんかまずいことになってて、けじめつけなきゃいけないから、ゴースト・ドッグを殺さないといけないってなる。
マフィアのおっさんは、なんでですか、やつは凄腕で重宝してて、言われた通りに仕事しただけですよって言うんだけど、なんか殺した男が別の組織のやつかなんかで、それでもめるのを避けるために、殺し屋をさしだすことにしたらしい。
よくわからんけど。
それでマフィアのじじいたちが、フォレスト・ウィテカーを狙って家にやってくるけど、留守だったり、別人を間違えて殺したりまぬけなことする。
フォレスト・ウィテカーが公園でアイスクリーム食ってると野良犬が見つめてくる。近所の女の子がその犬おじさんのって話しかけてくる。いつもスーツケース持ってこのへんにいるねって。友達いないのとか話して交流する。いや友達はいる、アイスクリーム屋のこいつが親友だって紹介。
移動アイスクリーム販売の車の男が親友だっていうんだけど、アイスクリーム屋はフランス語しか話せないフランス人。
フォレスト・ウィテカーが英語でなんか言って、相手はフランス語でなんかいって、それで話が通じてるのがおもしろい。
そんでフォレスト・ウィテカーがマフィアを逆に返り討ちにしていく。強い。さすが葉隠読んでるだけはあるぜ。
マフィア壊滅ぐらいまでやるんだけど、最後は命の恩人のマフィアのおっさんにわざと撃たれて死を選ぶ。命の恩人は殺せない。自分が生きてたら恩人に迷惑かかる。ならば恩人の手で死ぬことを選ぶ。
命を救われた恩義に報いるために自分の命を差し出すという武士の心です。いやー、サムライかぶれもここまでくるとすごいな。日本人でもこんな義理堅いやつおらんでみたいな。
フォレスト・ウィテカーのなかに理想のサムライの姿を見た。
なんかよかったなあ。盗んだ車のカーステでCDかけてフォレスト・ウィテカーが殺しの仕事にでかけていくダルな感じ。いいね。
殺し方も、洗面所の下の土管から銃で撃って殺すとか、マジなのかバカなのかよくわからなくておかしいし。
アイスクリーム屋や読書好きの女の子との交流もいいし。女の子が本好きで、フォレスト・ウィテカーが羅生門を貸すから読んだら感想聞かせてくれってなって、それからどうだったって感想聞いたら、みんな違う話するのがおもしろかったって女の子がいって
それは「藪の中」だな、おれもそれが一番好きだって文学談義するのもいい感じだったっすね。最後は葉隠を彼女に託す。
いやー、ジム・ジャームッシュ監督作品にしてはけっこうおもしろくて、退屈しなくてよかった。こういうのも作れるんだ。もっとこういう路線の映画を作ってくれたらいいのにね。
ジム・ジャームッシュってミニシアター系のアート系の監督っていうイメージ。こういうのも作ってたんだって意外でした。