うーん、よくわからないけど、吉岡里帆たちが生きている九龍城は本物ではない。愛する人を失った悲しみにくれる水上恒司が永遠に終わらない幸せな時間を繰り返すために作り出した幻影の町だったのだ。
水上恒司が新人だったときに、先輩社員だった吉岡里帆に恋して結婚したのだが、吉岡里帆が自殺して死んでしまった。その悲しみからのがれるというか、目を背けようとする気持ちが、記憶バックアップ業者のデータベースプログラムに侵入して、
幸せだったときの九龍城の幻影を取り壊されて今はもう存在しない町の跡地の原っぱに出現させていた。ということ?らしいのだが、細かい仕組みはよくわかりません。
実際はすごい未来世界で、あの九龍城は水上恒司の記憶のなかの九龍城が実体感をともなって出現したものらしい。仕組みはわからんけど。
惑星ソラリス的ななにかか、はたまた牡丹燈籠みたいな怪談か。悲しみを忘れるために自らがうみだした幻影のなかで生きる男が、こんなんじゃダメだって気がついて幻から抜け出る話。
水上恒司が幻の町で幻の吉岡里帆と終わらない夏を過ごしていた。幻九龍城では、水上恒司のほうが先輩で、吉岡里帆が新人社員になってます。他愛もない悪ふざけを毎日やって楽しくやってたんだけど、吉岡里帆のほうが水上恒司を好きになっていく。
水上恒司は吉岡里帆のそばで一緒に毎日いるだけで満足していた。というか恋が始まってしまうと、終わりが来る、始まりがあるものには終わりがある、なので、なにも始まらない終わらない宙ぶらりんな状態でいることを望んでいたのだった。
永遠の夏休み、永遠に文化祭の前夜祭、終わらない楽しい時間。
でもだんだんさ、吉岡里帆のほうがわたしは吉岡里帆じゃない、わたしはわたしです、もっとわたしを見てって迫ってきて、水上恒司は向き合わざるをえなくなる。
死んだ吉岡里帆の幻影をニセ吉岡里帆にかさねて見てるだけで満足していたけど、そこから一歩新たにふみだしていく勇気をジェネリック吉岡里帆からもらった水上恒司はニセ吉岡里帆といっしょに九龍城から出ていく。
幻だった九龍城が消えて、はらっぱで一人立つ水上恒司。一人ぼっちだけど、心は晴れやかでありましたみたいな……、おしまい。
吉岡里帆を失った悲しみを吉岡里帆に癒やしてもらって立ち直ったっていうことかな。
うーん、なんかよくわからないというか、チープというか。とにかく映像がチープなのが気になったかな。まあ、あの町は幻なので、チープにわざとしてるのかもしれないけど、もうちょっとがんばってゴミゴミした雑踏感を表現してほしかった。
つるんとした小綺麗な映像なんすよ。生活感ない九龍城。幻影だからきれいになってるんだろうけどさ。
あと役者の撮り方もあんまりよくなかった。吉岡里帆とか熱演してるんだけど、ぜんぜんよく見えないんだよ。なんかもっとうまく撮ってあげてよ~って。
なんか間延びしてるなあって感じですかね、全体的に。