なんか面白そうなんだけど、ミステリみたいでおもしろそうなストーリーなんだけど、おもしろい感じにはなってません。とにかく長く感じる。
最初にその当時未完成で終わった映画の映像から始まる。なんかよくわからない、中国人の使用人と邸宅に住む人が、失踪した俳優が演じる人に娘を探す依頼をするという場面。
意味ありげなセリフとやりとり。この映画の映像が、現実での登場人物たちの心境や生き方と重なるという趣向かな。
でも、なんか見てるのがしんどくなっちゃうんだよなあ。主人公にどうしてもこうしなければならないみたいな目的意識、勝ち取らなければならない結末みたいなものがないので、見ててどうでもいいって思っちゃう。
昔のことを振り返って懐かしんでるなあとしか思えないので、長く感じちゃうんだろね。これがどうしても失踪した彼を見つけないといけない理由があるとか、逆に見つからないほうがいい理由があるとかだったら、
この先どうなるんだろって興味をひかれて退屈しないんだけど、そういうのがないからなあ。
なんとなく行動してるだけだからなあ。主人公は映画が俳優の失踪で頓挫してから監督やめて作家やってるみたいですけど、若いときは賞とかとってそれなりにやってたけど、今はもう海辺のバラック小屋で暮らして漁やって日銭稼いで暮らしてるみたいな。
立ち退きの話もあるしみたいな生活してます。家庭菜園でトマト作って自給自足かみたいな。近所の仲間とかしこい飼い犬と楽しくやってます。
作家としての創作意欲がもう若いときみたいにない。テレビ番組に協力するのは金銭面で助かるからっていう感じ。未完に終わった映画の映像をその番組で使うから使用料が入るし。
そのぐらいの動機で俳優の失踪をふりかえっていく。それで俳優の娘と話したりとか、俳優たちと過ごした若い青春時代の人と会って話したりとかします。
ほんとおじいさんが昔を懐かしんでるだけの時間がずっと過ぎていく。
もうちょっとなんかミステリっぽい展開とか、なにかあるんじゃないかみたいな匂わせがあってくれたらなあ。
さすがにきつい。それかもっと削って短くするとかね。
それで番組が放送されて、情報がもたらされる。失踪してる俳優を知ってるという情報が入ってきます。老人ホームやってる修道院の雑用係で働いてる人がその俳優だっていうね。
それで主人公が会いに行くと、なるほど彼本人に違いないとなります。俳優のほうは記憶喪失でぜんぜん俳優のときのこと覚えてないし、主人公のことも覚えてない。
失踪が彼自身がのぞんでそうしたことなのか、失踪途中で病気でそうなったのか、事件なのか事故なのか、そのへんの真相はわからないけど、とにかく彼は自分が誰であるかわからず別人としてずっと生きていた。
娘を呼んであわせてみるけど、まったく思い出さないし無反応。
主人公の元監督は、あの映画の映像を見せよう、そしたら彼はなにかを思い出すということで、近所にちょうど都合よく閉館したての映画館があって映写機が使えるということで、上映会です。
フィルムを取り寄せて上映開始。上映されるのは、当時作ってた映画の結末部分。娘探しを依頼された男が娘を見つけて連れてきて、父と娘が再会するシーンです。
映画を見てる主人公、俳優、の心になにか変化がおきて……というところでおしまい。
どうもよくわからない。難しすぎた。いや、難しいのとは違うかな。長すぎた。長さに意味を感じないし、長いことに快楽もない。
年老いた人間が、若いときを思い返す。確かにあの若い自分がいたのだと確認する話。懐かし映画。だから退屈なんだろね。この作ってるビクトル・エリセにとっては意味がある話だけど、それを見せられる側には意味はないからつまんないんだろう。
というか、劇中映画の未完成に終わった映画っていうのを普通にそのままやってくれたほうが面白そうなんだけど。
なんでこんな監督が昔を振り返るみたいな構造にしちゃったんだろう。