あきれてなんも言えない。マイケル・ベイっぽいなって思ったポイントはカーチェイス、カークラッシュの描写。車が派手にぶっ飛ぶ。あれってマイケル・ベイの発明でしたっけ?よく見たなあ、昔。
今作はパワーアップしてて、ドローン撮影なのか、空撮も組み合わせてました。意味はあまりないけど、ダイナミックにカメラが空飛んでた。
あとは登場人物たちが妙なハイテンションで怒鳴り散らす。「バッドボーイズ」でしたっけ、ウィル・スミスともう一人の人が二人でガヤガヤと喋りながらカークラッシュしてた刑事アクション。ああいうの見るとマイケル・ベイだねって感じがする。
今回はジェイク・ギレンホールとヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世がコンビ芸見せる。そこに紅一点のエイザ・ゴンザレスが加わってトリオ漫才をやる。
ジェイク・ギレンホールとヤーヤは兄弟。白人と黒人だけどね。ジェイクの父親がヤーヤを養子にした。彼らの父親は犯罪者です。それでジェイクのほうは父親の仕事を受け継いだ。銀行強盗。
ヤーヤのほうは軍隊に入ってアフガンかなんかに従軍してた元軍人。それでヤーヤの奥さんがガンで治療代に保険がおりずに困っていた。20万ドルとか費用かかる。
仕事もねえし、お金もねえし、生まれたての子供もいるし、どうしようもなくなったヤーヤはジェイク・ギレンホールを頼ってお金を借りに行きます。
そしたらさ、ちょうどジェイク・ギレンホールたちが銀行強盗する日で、お前も参加しろよ、20万ドルどころか1400万ドル稼げるぜって銀行強盗に誘われます。なんて日だ。怖い偶然もあったもんだ。
ヤーヤは真面目に生きてるので、いや、そんなことはできないと断るのだが、なんだかんだで参加してます。どういうことだ……、断ったはずなのに銃もって銀行強盗に向かうトラックに乗ってるヤーヤ。
まあ、兄弟の絆があるので、ジェイク・ギレンホールに頼まれたら断りづらいとかあるみたいなんだけど、なんかさ、このヤーヤってやつがほんとやっかいなやつなんです。
最初から参加すんなよって思っちゃう。善人かなんか知らんけど、銀行強盗に参加してる時点で善人じゃないだろ。警官撃ったのはヤーヤだし。救急車運転して暴走してんのもヤーヤだし、おまえが主犯じゃねえかみたいなムーブをかまし続ける。
それなのにヤーヤはまだ善人ぶったこと言ったりするんだ。どういう思考してんだ。まさにアタオカ。ジェイク・ギレンホールもアタオカ。なんせ仕事が銀行強盗だから。35件ぐらいやってて、警察にマークされてるような銀行強盗常習犯。
何回もやってるからなのか、めちゃくちゃ軽いノリで銀行強盗します。仲間とか計画とか適当。なんせ、これから銀行強盗だというのに、サンダル履いてるやつとかいるんだぜ、メンバーに。
なんだろ、ジェイク・ギレンホールにとって銀行強盗は日常のことで、あんま大げさに準備したり、仲間をちゃんと集めたりとか、神経使ってやることじゃないんだろね。適当すぎて笑った。
そんで銀行強盗行ったらさ、パトロール警官のアホが銀行窓口の女をナンパしたくてパトロール中に銀行に入ってくる。しかたねえから、ジェイク・ギレンホールがその警官を人質に逃げ回るはめに。
警察はどっかから情報をつかんでたのか、銀行の前に待機してジェイク・ギレンホールたちが銀行強盗するのを確認したら捕まえようと動き出します。
銃撃戦が始まって、仲間たちはどんどん死んでいく。こんな状況になったらもうダメだろっておもうんだけど、ジェイク・ギレンホールとヤーヤは救急車を奪って逃走します。
あのアホの警官とジェイクが揉み合いになったときに、ヤーヤがその警官を撃ってしまう。瀕死の重傷の警官を乗せた救急車で逃走開始。
その救急車に乗っていた救命士がエイザ・ゴンザレスです。救急車の逃走が長い長い。ヘリコプターとか車とかセスナとか大量に投入されて、警察はびったりマークしてるんだけど、ぜんぜん救急車を止めることができない。
いや、止める気がない。
普通にドライブしてるみたいに、ずっと走り続ける救急車。救急車の中で緊急手術とかやりはじめるわけ。撃たれた警官があぶなくなって、弾を摘出しなきゃってことで、スマホでテレビ電話を医者とつないで指示をあおぎながらエイザ・ゴンザレスがやる。
腹をさいて、腕をつっこんでとかやってんの。ヤーヤも手伝って。走ってる救急車の中で。ろくな設備も道具もなくて。そんで脾臓かなんかが破裂して出血多量になって、やばってなって、髪留めを使って血管をおさえて、ふうー、うまくいったわって。
そんなわけあるかーい!みたいな。
ヤーヤが輸血したりとかして、撃たれた警官は命の危機は脱する。ほんとか?みたいな。走ってる救急車の中で緊急手術したら、もりあがりそうって脚本家が思っただけみたいなシーンだった。
そもそも撃たれたときになんで死ななかったのかもわからない。死んだら救急車の中で緊急手術っていう展開にできないからという理由だけで生きてる警官。そして最後にも大事な役割があるので、雑な応急処置だけでずっと安定して死なない警官。
そっからしばらくは警官が死にそうで大変というのは、まるでないことのような扱いになって、警察が追う、救急車が走るっていうだけのシーンが続く。
ジェイク・ギレンホールとヤーヤが口喧嘩したり、一緒に80年代ポップスをイヤホン片方づつして聞いて盛り上がったりする。
なんかこういうバカバカしいノリもマイケル・ベイっぽいなあって感じ。
まあ、この映画ではそれはうまくいってないけど。
バカっぽくてたのしーっていうふうにはならなくて、だりいなとしか。これが90年代とかの映画ならOKだったのかもなあみたいな。
まあ、それでいろいろあるんです。警察をまくために、救急車を緑色にぬりかえて、囮の救急車を走らせて、それに爆弾積んで警官隊のところで爆発させたりとか。リモコン無人自動車にガトリングガンを装備して警官隊に乱射したりとか。
ジェイク・ギレンホールの知り合いにお金の半分あげるから、逃走の手助けを頼んだんだけど、手際良すぎだろ。ジェイクが電話しただけで、あれこれすぐに用意できすぎです。さすが年季が入った犯罪組織は違うって感じだね。
なんかその組織はジェイクの父親の代からの付き合いみたいだったから、こういうことには慣れてるんだろう。
そんでなんかいけそうだわ、約束のお金半分もっていったところで、ボスともめ出す。爆弾仕掛けたやつが負傷警官の相棒に殺されて、そいつはボスの息子だった。
怒りのボス。救急車にいる警官と救命士はおいてけや、こっちで処理しとくからっていう話になって、ジェイク・ギレンホールはそれでOKって言うんだけど、ヤーヤはダメだって偽善者モード全開でうざいこと言うわけ。
あの二人は連れて行く。おれは二人を助けなきゃいけないみたいなこと言う。うぜえなみたいな。ちょっと待ってくださいよ、善人面してるけど、断ろうと思えば断れたし、奥さんや子供のこと考えたら自分が犯罪者になって
死んだりしたらどうなるのかわかってるはずだし、ほんとうに善人なら参加してないって。
なのにこの期に及んでまだこんなこと言ってらって、あきれてしまった。ジェイク・ギレンホールは仕方ないから、その場の人間を皆殺しにするほうを選びます。ヤーヤを救うためにその場の人間皆殺しを選ぶジェイク・ギレンホール。
こっちのほうが情にあつい男に見える不思議。
そんで銃撃戦始まって逃げるぜって救急車のドアあけたヤーヤを救命士のエイザ・ゴンザレスが敵だと思って撃ってしまう。ほらな、偽善者ぶるから罰があたったんだって思った。
エイザ・ゴンザレスはヤーヤはいい人で悪い感情を持ってなかったのに、勘違いで撃ってしまったのでアワワワワってなります。
あとから来たジェイク・ギレンホールに誰が撃ったんだってきかれて、よくわからないってすっとぼけたのが笑えたけど。こいつもあんまいいやつじゃないなって。
そして最後のクライマックスへ映画は佳境に入っていく。
なんと最後は感動系。
なんかいい感じの感動の出来事風のしめくくりかたなのです。これまでさんざんカーチェイスしてバカやってたのが最後は感動へ。
警察に追われながら緑色の救急車は病院へ到着。自暴自棄になったジェイク・ギレンホールは、エイザ・ゴンザレスをカメラの前で撃ち殺してやるといきまいて、救急車のドアをあけたところをスナイパーがジェイクを撃って、逃走劇は終結。
手錠をかけられ地面に転がされ処置もされず死ぬままにされるジェイク・ギレンホール。ヤーヤのほうもそうされそうになるんだけど、エイザ・ゴンザレスが彼はいい人だから救うって騒いで処置されることになってヤーヤはどうにか死なずにすむ。
なぜかヤーヤの奥さんと赤ん坊が警察によって病院に連れてこられてて、夫を助けてとかなんとか押し問答になる。
エイザ・ゴンザレスが奥さんと会話して、赤ん坊の入ったカゴに強奪したお金の一部をねじこんでいく。いや、粋なはからい、感動の行動みたいにやってたけど、普通に銀行強盗したお金だけどねみたいな。いったい何人死んだんだみたいな。
そもそも警官撃ったのヤーヤやないかみたいな。
それで撃たれた警官が病院のベッドで誰がお前を撃ったんだってジェイク・ギレンホールとヤーヤの写真見せられて、ヤーヤを指さして、彼はぼくの命の恩人ですと言う。ヤーヤに撃たれたことは内緒にしとこうってこと?
どういう心境なのかわからない。輸血シてくれたり、手術を手伝ってくれたかもしれんけど、もともとはヤーヤが撃ったからそうなってるだけで、命の恩人じゃないだろ。
なんだこりゃみたいな。
映画の10分ぐらいで見るのやめよかなって思ったけど、惰性で最後まで見てしまったけど、最後にすごいもん見せられたな。感動でもなんでもないのに、感動のエンディングだと感動をあおってくる奇妙な後味。
これは最後まで見てよかったとも言えるかも。最初のほうでやめてたら、そうそう、マイケル・ベイのいつものやつね、いつものカークラッシュにバカな登場人物のバカ話ねってことで終わってた。
それが最後に、謎の感動、奇妙な感動ムーブエンディングというのがあって、ただのマイケル・ベイ映画じゃなかった。最後まで見て得したね。