原作もこんな感じなのかな。エメラルド・フェネル監督が脚本もやってて、原作のエミリー・ブロンテ版とはけっこう違うっていう噂をきいたけど原作知らないからどこがどうなのかは不明だ。
時代は大昔、というか何年ぐらいなのかはよくわからんけど、マーゴット・ロビーは地主の娘で父親はギャンブル狂で財産をなくしていくろくでなし。父親の趣味は子供を拾ってきて召使いにして育てることかな?
地主たるもの、孤児をひきとって育てる度量がなくてはな、ガハハみたいな見栄のためかな。
それでジェイコブ・エロルディが拾われてきて馬世話係としてこの家で働くことになる。ああ、このシーンは子供時代なので子役が演じててマーゴット・ロビーらはまだ出てこない。
お手伝いはすでに女の子がひとりいて、なんかしらんけど中国系の人で本とか読んじゃったりしてかしこい子です。
お転婆のキャサリンはヒースクリフとすぐに意気投合。
というか、気が合うというか、けなしあったりつっぱったりするけど、お互いがひかれあってる関係になります。でも地主の娘と馬世話係じゃ身分の違いが大きすぎる。まあ、昔だから階級の違い、格差はものすごい。
ひかれあってるけど、素直にくっつけない二人っていうやつが展開していく。近くに大金持ちが引っ越ししてくる。マーゴット・ロビーはそのうちの人たちと仲良くなって、その家の主人から求婚される。
もう行き遅れかっていうとうのたちはじめた年齢だったので父親はちょうどええわって喜ぶし、相手は大金持ちだし、マーゴット・ロビーもまんざらでもない。でも心はジェイコブ・エロルディを愛している。
ジェイコブももちろんマーゴット・ロビーに夢中です。ついに一線こえるかっていうときに、マーゴット・ロビーは拒絶する。ジェイコブと一緒になれば極貧で野垂れ死ぬことになるわ、でも彼を愛しているのって、お手伝いに話してるのを、極貧で野垂れ死ぬという部分だけをきいたジェイコブは傷心して失踪。
やっぱり結婚は断ろうって翌日思ったマーゴット・ロビーだけど、ときすでに遅し。ジェイコブはいなくなってしまっていたのだ。それで仕方ないからお金持ちと結婚します。
お金持ちの豪勢な暮らしを堪能するけども、心は満たされないみたいな描写が続き、マーゴット・ロビーが妊娠したときにジェイコブが舞い戻ってくる。
海外で一儲けしたとかで、お金持ちになってマーゴット・ロビーの実家を買い取ってそこに住む。なんでおれの愛を拒絶したってネチネチいやがらせしてくる。なんかお金持ちになって、手に入らなかった女のところに舞い戻ってくるってグレート・ギャツビーみたいだね。
まあ、それでさ、いがみあってるようにみえてひかれあってる二人なので、すぐにくっつきます。誤解もすぐとける。そして不倫。人目をしのんであちこちで逢瀬を堪能する二人。
うーん、よくわかんないな。あの二人の感じだったら、子供のときにすでに関係をもってると思うんだけど、なぜか子供のときの二人はくっついてないんだよね。それが不思議で。
子供ってバカだからすぐにやっちゃうと思うんだよねえ。あの性格だし。なぜかくっつかずに悶々とする。
まあ、それで禁断の関係がうまく続くわけもなく、周囲にバレバレなのでもう会わないってマーゴット・ロビーがさそいにのらなくなってくる。
そしたらジェイコブはなぜだって執着心まるだしでしつこく関係継続を迫る。なんなんだろう?勝手にすれば?みたいな。もう後半になってくると、勝手にやってろよって感じです。
もう悲恋でもなんでもなく、シランガナみたいな気分。
マーゴット・ロビーのそばにいて苦しめるためだけに、ジェイコブは好きでもないマーゴット・ロビーの夫の妹のオタク少女と結婚して、DVで洗脳したりする。なんなんだこれ?
オタク少女を犬扱いして首輪つけて床を四つん這いではわせてたりするんだけど、オタク少女側はそれを楽しんでいるような素振りをみせる。ジェイコブがSでオタク少女がMなんだけど、ドMなので逆にジェイコブをコントロールしてる。オタク少女はドMに見えるドS。
ジェイコブは文字書けないので、このオタク少女に代筆させてマーゴット・ロビーの気を引く手紙を何度もおくりつける。
しかしお手伝いの中国系の人が握りつぶすのでマーゴット・ロビーには届かない。このお手伝いさんはマーゴット・ロビーとジェイコブの仲をほんのり妨害する役回りで出てきてたけど、なんでそんなことするのかはよくわからなかったな。
自分のほうが学があるし知恵もあるのに、家柄ないだけで召使いのままだ、生まれついただけのマーゴット・ロビーが憎いって心の奥では思ってたのかな?
病にふせるマーゴット・ロビー。衰弱していき、出血多量で死亡。悲しみにつつまれる周囲の人々。馬をはしらせ急いでかけつけたジェイコブだが、そこにはマーゴット・ロビーのなきがらが。
医者を呼んでくれ、大変なんだ~ってむなしい叫びをあげるジェイコブは蒼白で冷たくなったマーゴット・ロビーのなきがらを抱きしめながら、成就できなかった恋の悲惨な結末をかみしめるのだった。おしまい。
だったかな。中盤、後半、もうどうでもええがなというか、勝手に二人でモヤモヤして悶々としてからの不倫で超気持ちいいみたいなのを見せられるから、ちょっとなえたな。
そうそう、面白かったのはオープニングシーンでした。
公開処刑のシーンで、町の広場で罪人が高いところからロープで首を括られて処刑される場面が描かれる。人々は大興奮。楽しい楽しい見世物だって感じでみんな堪能してんの。
子供たちはおおはしゃぎで、おい、あいつ勃起してやがるぜ、ギャハハハって笑ってる。ロープで首くくられた罪人が気絶せずにもがいててそれで生理反応で勃起してるみたいなんだけど、それ見てクソガキたちは大ウケ。
それを中年のシスターがはしたない!ってとがめるようなこと言うんだけど、この中年シスターも首をつられた罪人が勃起してるのを見てエクスタシーに達してる。
シスターがい、いっく~っみたいな白目してるのが笑えた。ええもん見れたわって町の人々は大満足。そこらじゅうで興奮さめやらぬ人たちが娼婦とやってたり、ワイワイお祭り騒ぎで盛り上がる。
それがもう下品でおもしろくて最高だった。これなんだな。この映画の本質というか監督がやりたかったことはって思ったね。表面では上品にとりつくろっても、本能はこうなんだっていうね。人間は動物なんだっていうのをやりたかったんじゃないか。
人間は着飾ったり、身分や階級で上下つけたり、社会のルールだ知性だなんだというけれど、実態はこうだっていうのを最初にぶちかましてる。
悲恋だ身分違いのかなわぬ恋だなんだというけれど、そんな上品なものじゃない。本能剥き出しで暴走する動物が人間の本質だろって感じ。だから悲しいとはあんまり思わなかったかな。
マーゴット・ロビー死んじゃってるのに、なぜか悲しくなかった。本能のまま好き勝手やり放題やって悲劇のヒロインになってそのまま退場。もはや清々しい。やりたいことすべてやりとげたみたいな達成感すらある。
うーん、昔が舞台の文芸ものだし、恋物語だし、地味そうだから見なくてもいいかって思う人もいると思うけど、オープニングの下品なおもしろパートは見て損はないですね。そこだけ見てもいいかも。
これが人間だ!みたいなのをズバリとついてくる簡潔でおもしろいコメディコントシーンだった。