ユダヤ人建築家のエイドリアン・ブロディがアメリカに移民でわたってからの物語。戦後、エイドリアン・ブロディはアメリカで家具店を営む親戚を頼って移民する。妻とは離れ離れになってて生死もさだかでなかったけど、手紙がきて生きてることがわかる。
姪と一緒にいるけどなかなかそっちにはすぐにいけそうにない状況。エイドリアン・ブロディは金持ち息子の依頼で、父親にサプライズプレゼントとして書斎をリフォームしたいという依頼をされる。
読書家の父、ガイ・ピアースのために現代風に部屋を作ってくれという依頼。エイドリアン・ブロディは母国ではいろいろ建物を設計してて、新進気鋭の建築家だと話題になったこともある男。
壁一面に棚を作り、ぽつんとチェアをおいたモダンな空間になるはずだったが、ガイ・ピアースが早めに帰宅して改築されてることに激怒して、エイドリアン・ブロディは追い出される。
仕事も失い親戚ともおれの嫁に色目使ってなにすんだと誤解されて疎遠になり肉体労働で働いてるところに、ガイ・ピアースが訪ねてくる。あのときは悪かったと謝罪するガイ・ピアース。エイドリアン・ブロディが設計した書斎が評判で素晴らしい出来で
エイドリアン・ブロディの経歴に興味をもったガイ・ピアースがいろいろ調べてエイドリアン・ブロディはすごい実力がある建築家であることがわかったからだった。
才能にほれこんだガイ・ピアースはエイドリアン・ブロディを家にまねいていろいろ話して、妻と姪のこともいい弁護士を紹介してくれてどうにかなりそうだし、さらには亡くなったガイ・ピアースの母親の名を冠した施設の設計を依頼する。
劇場があり、図書室があり、礼拝堂をそなえた文化施設の設計。ってな感じで話はすすんでいく。うーん、これが別に退屈ではないし、つまらないわけでもないんだけど、おもしろいわけでもない感じです。
劇的なことが起きてるんだけど、あまり劇的には感じないというか。エイドリアン・ブロディが最初に船でやってきて、暗い船室から明るい外に出たら自由の女神がババーンって見えて歓喜するとか、アヘンかなんかやって薬物中毒なっちゃうとか、
うまくいきそうだと思ったら、すべてダメになって、もうだめかってなったけど、また復活してみたいな波乱万丈がおきてるんだけど、見てて、危機感はあまり感じないというか感動というか心をひきつけられることはなかったな。
エイドリアン・ブロディの演技は普通によかったけど、エイドリアン・ブロディ演じる男に共感するとか、はたまた反感を感じるとか、なにかを思うってことが一切なかった。まあ、なんかやってんな~ぐらい。
奥さんとやっと再会とかするんだけど、それも別に感動ってわけでもないし。奥さん、栄養失調かなんかで車椅子になってた。だけど夜、ベッドで執拗にエイドリアン・ブロディをもとめてきてエイドリアン・ブロディがそんな気にならないよっていうのに、手でしごきまくったり。
なんかすごいこと起きてるんだけど、映像の作り方はすごく冷めてる。
ガイ・ピアースはエイドリアン・ブロディに設計を頼んだくせに、別の業者にも意見聞いたりとかしてエイドリアン・ブロディが思うようにいかなくて苛立つとかもある。
資材の運搬してる列車が事故をおこして死人がでて、建設は頓挫。もう終わりかってなるけど、問題を解決したガイ・ピアースがまたエイドリアン・ブロディを呼び戻す。イタリアかなんかで礼拝堂に使う大理石の品定めをしてくれと。
まあ、なんていうかガイ・ピアースは実業家で大金持ち。なんだけど、文化的な知的な才能が自分にはないというのがコンプレックスの男なんだろね。だから自分がもっていない才能をもっているエイドリアン・ブロディに執着する。
お金でその才能を所有しようとする。エイドリアン・ブロディのことを尊敬して同時に軽蔑もしている。素晴らしい、すごいと才能を認めている一方で、小馬鹿にしてるような雰囲気も感じる。所詮自分たちとは違う世界の人間だとはっきり区別してるような感じ。
最後のほうでエイドリアン・ブロディの奥さんがガイ・ピアースをみんなの前であなたは夫エイドリアン・ブロディをレイプした卑劣なやつだって糾弾するシーンがあったよね。
なにもかもうまくいかなくてイライラを爆発させまくるエイドリアン・ブロディ。奥さんは痛み止めでエイドリアン・ブロディからドラッグもらって死にかけたりとかあって、わたしイスラエルに移住した姪のとこに行くっていう話になる。
それで最後に言いたいことガイ・ピアースに言ったんだろうけど、びっくりです。
え~!ってびっくり。レイプした卑劣漢だって奥さんが言ったとき、ガイ・ピアースが奥さんに手を出したのか、姪に手を出していたのかって思ったら、エイドリアン・ブロディかい!って。
まあ、確かにイタリアでそれらしきシーンはあったけどさ。おまえは美しいから許されると思っているのかみたいなことをネチネチガイ・ピアースがドラッグや酒で酩酊してるエイドリアン・ブロディにのしかかってなんかしてるシーンがあった。
暗くてよく見えなくて、てっきり殺そうとしてるのかと思ったけど、そういうことだったのかな?嫉妬、自己憐憫、支配欲からエイドリアン・ブロディをレイプしたのか。
レイプっていうのは肉体的なことじゃなくて、精神、存在を凌辱したという比喩的なことなのかなんなのか。
ときは流れ建築の展覧会会場をエイドリアン・ブロディが年老いて車椅子にのって訪れていた。エイドリアン・ブロディの建築家としての作品の展示のなかにガイ・ピアースの施設もある。成長した姪がスピーチしてなんかいいこと言ってるシーンがあっておしまい、だったかな。
到達点が大事なんだとかなんとかいう内容だったかな。紆余曲折、いろいろあるけど、最後にどこにたどり着くのか、それが大事みたいな話だったような。
エイドリアン・ブロディはいろいろあったけど、建築家として生きた、あるべき自分の人生を生きたんだみたいなことなのかな。
戦争で命を奪われかけ、妻とも離れ離れ、戦後、命からがらアメリカで新生活をするけど、またここでも資本家に振り回されて、何度も人生を奪われかける。まあ、チャンスを与えるのもガイ・ピアース演じる金持ちだし、奪うのも金持ちというのが皮肉だね。
アメリカは自由を与えるけど、その自由をとりあげるのもアメリカみたいなさ。
いやー、長かった。長いけど、べつに無駄なシーンがあるわけではなかったけど、なぜか長い。なんでこんなに長くなったんだろう。展開がゆっくりだからだろうか。
長いのに充実感というか、大作を見たなっていう感じもない。こじんまりとしたさりげない小品を見たって感じがする。