アプレンティスってなんだろって思ったら、初心者っていう意味らしいですね。見習い、練習生、徒弟。ドナルド・トランプが見習いで、師匠がロイ・コーンっていう弁護士。
最初、ドナルド・トランプはほんとただの若者です。ビッグになってやるぞっていう野望だけはあるけど、ぜんぜんただの若者。父親が不動産業やってて、その手伝いしてる。家賃の回収に回ったりとか雑用してました。
なんかそれで訴えられてるかなんかで、破産の瀬戸際で切羽詰まってるとかでした。それをどうにかしたくて、やり手と評判の弁護士ロイ・コーンに助けてくれと頼む。
ロイ・コーンはけっこうかわいいやつやんってドナルド・トランプを気に入って弁護を引き受ける。そこから師匠と弟子の関係がスタートし、ロイ・コーンが人生で勝者になるルールをドナルド・トランプに叩き込んでいく。
少年漫画のパターンそのまんま。でっかい野望をもつ若者が師匠に出会って修行して鍛えてもらうっていう展開。
ロイ・コーンはすごいトランプを気に入ってるんだ。顧問弁護士料ということでトランプがわたした小切手をこれは返す、君とは友人として付き合いたいって言う。そうとう気に入ってる。逸材だぞって思ったのかな。
いいか、ルールは3つだってロイ・コーンはありがたいルールを授けてくれます。ルール1、とにかく攻撃攻撃攻撃。ルール2、何を言われても非を認めるな。ルール3、これがもっとも重要、絶対に負けを認めるな。
あと、人を見ろっていうのも教えてくれます。スポーツでよくアドバイスでボールを見ろ、人を見るなって言われるが、現実社会では逆だって。人を自分の思うようにできれば勝ちなんだって。
このロイ・コーンの教えはけっこうすごいというか、ほんとに成功の法則って感じしますね。とにかく攻めろ、とにかく否定しろ、とにかく負けを認めるな。なにがあってもおれは負けてないって攻撃しまくったら、おのずと勝利が転がり込んでくる。
ほんとそういうとこあるなあと。成功してる人、けっこう当てはまりそう。
ロイ・コーンは盗聴とかもして、権力のポジションについてる人の弱みを握ってて、それをちらつかせて裁判に勝ったりします。ドナルド・トランプが、それって違法では?ってまともなこと言うと、勝てばいいんだよ、現実はきれいごとじゃないって。
ほ~って感心する若いドナルド・トランプ。
そしてときがたつと、ドナルド・トランプは完全にこのメソッドを自分のものにして極めていて、師匠のロイ・コーンがひくぐらいイケイケの男になってます。
とにかく攻撃攻撃攻撃。とにかくなに言われても反論。どんなに不利でも負けを認めない。
これも少年ジャンプマンガでよくある定番の展開ですね。師匠をこえる主人公。
途中からロイ・コーン、なんだか元気なくなってくるんすよ。ゲイでエイズにかかってしまって、仕事のほうも下り坂。逆にトランプは上り調子。カジノを作って儲けてやるぜってイケイケだし、トランプタワー建設で市の免税を勝ち取ったりとか。
おれにできないことはないみたいな。そうそう、イヴァンカ・トランプとも出会ってて、最初イヴァンカのほうはわたし婚約してるしって、トランプを相手にしてないんだけど、攻撃攻撃攻撃でおしまくっておしきられて二人は結婚する。
そこまでして結婚したのに、しばらくするともう君では勃たないんだってトランプさめちゃってんの。それで奥さんとケンカになって、ハゲって言われて激昂して暴行したりする。
ハゲって言われてキレてたのがなんだかなあって。やっぱトランプさんって髪の毛のこと気にしてるのかな。なんか髪は自分で切ってセットして、他人にいっさいふれさせないみたいなニュース見たような気がする。
トランプにはお兄さんがいるんだけど、パイロットやってたけどアル中になっちゃってトランプはうとましく適当に対応してたら亡くなってしまう。
父親はもうろくしだして、トランプはだまして信託のなんかの書類にサインさせようとして母親に見つかって怒られたりする。
ロイ・コーンも落ちぶれちゃって、ダメだこいつってトランプは見限るんだけど、フロリダかなんかの家に招待してロイ・コーンの誕生日を祝う会を行います。
見るのも嫌なやつって感じなのに、わざわざ呼び寄せて世話してやるっていうのは、やっぱあれですかね。おれは師匠を完全にこえたぞっていう優越感を得たかったのかな。
ぺーぺーだった自分があの偉大なロイ・コーンを世話してやるぐらいになったぞって自己満足するために誕生日会なんかやってるんだろうね。
プレゼントでティファニーのダイヤのカフスかなんかをロイ・コーンにプレゼントする。それをロイ・コーンがもらったんだってイヴァンカ・トランプに見せると、それニセモノでしょ、あの人が本物なんかプレゼントするわけないわって言われる。
ああ、そうだよな~、そうか~、やつならやりかねんな~って感じで寂しそうな顔するロイ・コーン。運ばれてきたバースデーケーキ、でっかい国旗のケーキを前に寂しい虚無の表情を浮かべるロイ・コーン。
満面の笑みでそれを見てるドナルド・トランプ。
それでドナルド・トランプは腹がでてきたのを気にして脂肪吸引の手術をうける。ついでに気になる頭頂部のハゲも頭皮を切り取る手術で隠すことにします。
いやー、自分も頭頂部ハゲだけど、手術したいとは思わない。でもさ、こういう成功者の人って整形とかも抵抗ない人多いですよね。なんでも自分の思い通りにする、自分の身体も例外ではなく、したいように作り変えるっていう人。
そういうメンタルじゃないと競争を勝ち抜けないのかな。
父親も超え、師匠も超え、腹も引っ込め、ハゲも隠し、この先も俺の快進撃は続くと調子づくドナルド・トランプは自伝の出版をすることに。
それでライターを雇ってインタビューでどんな本にするか相談です。ライターがいろいろ聞くんだけど、薄っぺらくてあんまいいエピソードないっすね、ほかになんかないっすかってなって、人生の勝利のルールをトランプが披露する。
自分で考えたということにして。ドナルド・トランプには未来しか見えてない。過去はどうでもいいのだみたいな。おしまい。だったかな。
どこまで本当なのかフィクションなのかはよくわからないけど、ほんとマンガみたいな物語だった。野心をもつ主人公が達人にめぐり逢い鍛えられて、師匠をこえ、父親もこえ、手に入れたいものを手に入れ、そして俺の冒険はこれからだ、まだまだ続くよって終わる。
少年ジャンプみたいな人生。
ドナルド・トランプって少年ジャンプマンガの主人公だったんだな。そりゃハチャメチャでやりたいほうだいなわけだ。マンガなんだから。
まさかまさかで大統領になっちゃうし、さらにまさかで二期目の大統領なるし、コロナにかかっても大丈夫、暗殺されかけても無事で不死身。
マンガの主人公そのものだ。週刊連載「ドナルド・トランプ」の最終回はどうなるのか。