時代は昔。1950年代とか1960年代の感じ。トーマシン・マッケンジーは少年刑務所で職員で働いてる若者。でもさ、やべーやつなんすよ。車で地元のカーセックススポットに行って、カップルが車でやってるのを一人で見て、興奮して股間に雪をつっこんで興奮を冷ます。
勤務中に若い職員がバックで激しくついてくる妄想をおかずに指を股間につっこんでオナる。いったあとに、指の匂いをかいで臭くないかチェック。真顔で指のにおいを嗅ぐトーマシン・マッケンジーがやばすぎておもしろすぎる。
職場でまわりに人いる状況でオナるって、どうかしてる。隠れてトイレとかでひっそりとじゃなくて、普通にデスクでやってる。
地味で友達もいない。家には、元警察署長だったが、妻をなくしてから仕事をやめて酒を飲むだけの父親がいる。拳銃振り回して庭で騒いでるのを近所の人に通報されて問題になったりするどうしようもないオヤジ。
職場とそんなオヤジがいる家の往復でトーマシン・マッケンジーはオナるぐらいしかやることがないしょうもない目的のないむなしい若者です。アメがりがり食べたり、珈琲に砂糖を大量にいれたり、子供みたいなとこありますね。
そんなとき、少年刑務所に精神科医のアン・ハサウェイが配属されてやってくる。なんかかっちょいい女性です。ハーバードかなんか出てるインテリで、髪とかガーリーにセットして服も大人の女って感じでぱりっとしておしゃれ。
勝ち気で男とも対等にやりあうアン・ハサウェイにトーマシン・マッケンジーはひかれていく。かっこいい大人の女だわって。アン・ハサウェイのほうもトーマシン・マッケンジーを気に入って、二人はじょじょに親密になっていく。
前半はこんな感じです。田舎町でやることなくて、未来の希望もなくて、ボケっとしてる若者が、外の世界を知ってる人間と知り合って、なにか心に変化が訪れていくみたいな、青春ドラマのような恋愛ドラマのような感じ。
二人の恋愛みたいなドラマで展開していくのだなって思ったら、後半、事件が起きて犯罪ドラマに変化する。クライムスリラーっていうか、いきなり犯罪が始まっていく。
クリスマスかなんかにうちにこない?ってアン・ハサウェイに招待されて、トーマシン・マッケンジーは喜び勇んで出かける。
彼女の家だと思ったら違ってて、少年刑務所に父親殺しで服役してる少年の家なのでした。アン・ハサウェイは少年の話を聞いて、母親の話も聞こうと刑務所で面会してたのだが、母親の様子がおかしかった。
少年は父親に性的虐待され続けてて、それが原因で父親を殺したらしかった。それを母親に詰問するためにアン・ハサウェイは家にきて話をしてたんすけど、
母親ともめて、刑務所おくりだなんだと騒がれたのでとっさに鎮静剤かがせて地下室に監禁してしまったのだ。どんなとっさだ。そんな状況のところにトーマシン・マッケンジーは呼び出されてがっかりです。
わたしのこと好きだから家に呼んでくれたと思ったのに、こんなこと手伝わせるために呼んだんだって。幻滅。
あなたに協力してほしいのよってアン・ハサウェイは頼む。母親を尋問して、少年と父親のあいだになにがあったのかを証言させて、あなたに証人になってもらえたら、わたし罪をとわれないからって。
そうなの?精神科医が人を監禁したりクスリ飲ませて縛ったりしても、大丈夫なんすか?ってちょっとわけわからん理論なんすけど、トーマシン・マッケンジーはわかったわって協力します。
いや、普通なら、そうはならんけど。大人のかっちょいい人だと思って崇拝していたのに、こんなアホなことする人だとわかったら、一気にさめてしまうだろう。
でもトーマシン・マッケンジーはおかしい人なので、わかったって気持ち切り替えたのかなんなのか協力します。
ちょうど父親から預かった拳銃が車にあったのでそれを使って脅せばほんとのこと言うだろうって。いやー、トーマシン・マッケンジーはやっぱりおかしい人なんだ。
職場で平気でおなったり、どうしようもない父親と一緒に暮らし続けたり、どっか壊れてるんだな、こころのどっかが。トーマシン・マッケンジーには姉がいたみたいなんだけど、結婚して家を出ていった。
姉は自分で自分の人生を切り開いたんだ、おまえはおれが死んでもずっと一人だろうなって父親にばかにされるトーマシン・マッケンジー。優等生のいい子チャンってこけにされても、なんも父親に言い返さない。
父親はいない死んだ母親や出ていった長女のことをあげて、トーマシン・マッケンジーをさげるようなことを言う。眼の前の自分をけなして、いない母や姉をほめるなんてひどいとは思うけど、トーマシン・マッケンジーはなんも言い返さないし、なんもしない。
妄想のなかで、父親の頭を拳銃撃ってふっとばすだけで、実際にはなにもしません。
こんな状況だったら、とりあえず家でて一人暮らししてもいいし、父親を捨ててもいいんだけど、そうしない。だらだらオナるだけの毎日を過ごす。やっぱりどっかおかしいんだ。
で、地下室で少年の母親を尋問する。なんか知らんけど、トーマシン・マッケンジーのほうがノリノリで銃をむけて喋れって脅す。おいおい。手慣れた犯罪者みたいな態度のトーマシン・マッケンジー。
そして母親が息子と父親のことについて喋りだす。最初は夜ベッドから抜け出す夫を変に思った。それから息子になにしてるか気がついた。でも、やめさせようとはせず、協力するようになったみたいなことを。
気持ちが高ぶった少年の母親は、トーマシン・マッケンジーの父親にも秘密があるとかなんとか、トーマシン・マッケンジーをバカにして口撃するようなこと言うと、トーマシン・マッケンジーは無意識に銃を撃ってしまう。
トーマシン・マッケンジーの母親の死にはなんか事情があるんだろね。そこをいじられたもんだから、かっとなって撃っちゃった。
肩に命中。なんで撃つの?ってアン・ハサウェイはアワワワってなって、もう仕方ないから鎮静剤を大量に飲ませてだまらせようって少年の母親に錠剤を大量に強引に飲ませる。
アワワワってなってるアン・ハサウェイに、そうだ、うちに連れて行って酔った父親が撃ったということにしよう、そしてわたしたち一緒にニューヨークへ行きましょうよって目を輝かせて言うトーマシン・マッケンジー。
そうね、そうしましょうってアン・ハサウェイは話あわせてるけど、引いてるのでそうしないのは明らか。
トーマシン・マッケンジーは少年の母親をトランクにのせて家に帰り、寝ぼけてる父親としゃべって、アン・ハサウェイが来るのを待つんだけどこない。
そりゃ来ないだろ。アン・ハサウェイはトーマシン・マッケンジーが思ってるような、できる女、知的でセクシーで大人な女、退屈な人生から救ってくれる救世主ではなくて、愚かなただの女だったのだから。
ちょっとさ、アン・ハサウェイはトーマシン・マッケンジーが作り出した幻影ではないのかとか思ったな。トーマシン・マッケンジーが作り出したもう一人の人格でもいいけど、退屈で目的も希望もない人生から救い出してくれる存在としてのアン・ハサウェイ。
彼女がわたしを連れ出してくれるっていう願望。でも実際はそういう存在じゃなかった。
アン・ハサウェイは自分と一緒にはいてくれない。悟ったのか諦めたのか、踏ん切りがついたのか、トーマシン・マッケンジーは森に車を走らせて、運転席に少年の母親を座らせてエンジンをかけたままにして去っていく。
車はポンコツで車内にガスが充満するようなものだったので、トーマシン・マッケンジーは事故死に見せかけようとしたのかな?
いや、撃たれてるしおかしいし、排ガスでの事故死にはとても見えないので隠蔽工作としては成立しないけど、トーマシン・マッケンジーはこれでいけると思ったのか、どうでもいいと思ったのかなんなのか。
そして、道でヒッチハイクしてトラックが止まって乗せてもらって町をでるトーマシン・マッケンジー。自分の人生がここから始まる、彼女の顔は晴れやかだったのだ、おしまい。みたいな。
なんか変わった映画だったなあ。原作の小説があるみたいですね。ミステリ小説っていうわけではなく、文芸小説っぽいので、主人公の心理描写を見せたい系なのかも。
なんか鬱屈してる、なにもないと思ってる若者が、そこから抜け出すみたいなドラマ。ドラマっていうかなんというか。