歴史は繰り返される。これにつきる。いやー、最近のアメリカひどいよ、トランプ大統領やりたいほうだいでめちゃくちゃだよって思うけど、ふと、はたと、考えてみるとアメリカっていつもいつの時代もこうだったなって気がついて怖くなる。
トランプ大統領が特別おかしいわけじゃない。アメリカ大統領はいつもおかしかったやんって。ブッシュもむちゃくちゃやってたなって。ブッシュもレーガンもクリントンもオバマだってむちゃはしてた。トランプ大統領はアメリカ的でアメリカらしいリーダーじゃないか。
イラクに大量破壊兵器があるからサダム・フセインを打倒するためにイラク侵攻するという政府の主張に大手メディアがのっかって助長するような記事を書いていく。世の中は、9.11テロのあとで愛国心とテロリストへの憎悪が民衆のあいだで盛り上がっていた。
大量破壊兵器があるという証拠があるのか、イラク侵攻する正当な大義名分があるのか、そこを政府に問いただす記事を書いていたのは、ナイト・リッダー社だけだった。
ナイト・リッダーの記者、ジェームズ・マースデンとウディ・ハレルソンは政府関係者への取材で、大量破壊兵器があるという確信がないままに大統領がイラク侵攻に突き進んでいるのを知る。
イラクに侵攻するという結論ありきで、不都合な情報は無視され、都合のよい情報だけが集められ決定されていく。政府が嘘をついている。それを大手メディアが黙認し助長する。あいつか敵だ、たたけ!それが愛国心だって煽る記事のほうが売れるから。
大手メディアは政府の発表に疑問をはさむどころか、のっかって後押しするかたちです。
ウディ・ハレルソンたちは取材をかさね、大量破壊兵器の存在が不確かで、それを理由に戦争を始めるのはおかしいと確信を深めていく。だけど政府の動きや世論の流れがまったく逆になっていくのをなすすべもなく見てるしかない。
ジェームズ・マースデンが恋人のジェシカ・ビールのとこでBBQパーティーするんだけど、ジェシカ・ビールの父親にイラク侵攻に反対する記事書いてるらしいな、今イラク叩かなきゃ大変なことになるんだぞってからまれる。
愛国心が強いと思ってる人間ほど、政府の発表を熱烈に支持して、疑問をもたない。
ナイト・リッダー社は大手じゃないみたいです。編集長も骨太ジャーナリストでできるだけ抵抗する。戦場ジャーナリストのベテラン記者のトミー・リー・ジョーンズの協力をえて、真実を伝えようとするけど、大きな流れに飲み込まれてちからおよばずです。
戦争はいつも始めたがりが始める。正当な理由なしに。そしてそのツケを払わされるのは、戦場に行く兵士たち。
愛国心から軍に志願してイラクで負傷して車椅子になった青年が描かれる。
メディアは権力を監視し抑止する役目をはたせず、権力を助長させる。歴史は繰り返されるだなあ。
内容は興味深いものだった。映画としてはいまいちだったかな。うーん、なんか編集長の人の演技下手だなって思って見てたら、ロブ・ライナー監督が演じてるみたいです。俳優もやるんだね。
部下の記者たちを前に、真実を追えと叱咤激励する演説をやるんだけど、それもあんまうまくはなかったんだよなあ。監督に専念してもよかったような気がするけど、どうしても自分で演じたかったのかな?
ロブ・ライナー監督といえば「スタンド・バイ・ミー」や「恋人たちの予感」とか80年代に活躍した監督だけど、こういうのも撮ってたんだな。
いやー、でもほんと歴史は繰り返すだ。で、どうすることもできない。あとから反省というかこれおかしくないかって思い返すことしかできない。リアルタイムで進行している異変をとめることはできないっていう絶望感。